みなさま、こんにちは。東京喰種:re(アニメ)担当のnk(エヌケー)です。
先週、カナエから渡された琲世の写真を見て、復活の兆しを見せた習さま。
9話では以前と変わらない(むしろパワーアップ)した習さまを見ることができましたね。
彼は本当にコミカルなキャラクターで(宮野さんの演技がそうしているだけかもしれませんが)、東京喰種シリーズをいい意味で暗いだけにさせていないと感じています。
また、久しぶりのバトルも織り込まれていて、とくに瓜江と六月の成長が見えた回でもありました。
金木に執着する理由
今回は「ご正気ではない」というカナエのセリフ通り、金木(琲世)に出会えた喜びに我を失っている習の姿が印象的でした。
元々常人では正気とは思えない行動が多い習ですが、金木に会いに行かねばと、屋敷の中を車いすで駆け抜けたり、金木の記憶を取り戻そうとしたりする姿は、狂気さえ感じてしまいました。
習はなぜこんなにも金木に執着するのでしょうか。
金木に対して残された後悔
出典:東京喰種:re/5月30日放送/BS11
習「掘、教えてくれまいか。美食とは何かね」
掘「知らない。自分で考えなよ。」掘「ねえ月山君、君は食材のために死ねた?」
「東京喰種:re」(第3期) 9話より
「
最後のセリフは、「今、月山君は何の後悔もない?」と問いかけているようにも思えます。
おそらく習は何らかの後悔を抱えていたからこそ、意気消沈していたのだと思います。
どのような後悔だったのか考えるために、第1期からこれまでの2人を振り返ってみたいと思います。
第1期における習と金木
第1期4話で2人は初めて出会います。
はじめのうち習は金木のことをただの喰種だと思っており、人間の香りを色濃く残している点から引き付けられたのでした。
その後、美食会で金木が
5話で「金木君が食べながら、金木君を食べたい!」と、貴未を差し出し、食べ方にもこだわりを見せた習。
トーカに敗れた後は、一旦姿をくらますものの、10話でアオギリに捕らえられた金木を助けるために再登場します。
その際、金木を「無二の友人」と呼び、特別な感情を抱いている様子を見せました。
第2期(√A)における習と金木
√Aではほとんど姿を見せなかった習。
3話ではアオギリの構成員・万丈と行動を共にしていました。
習「金木君っ!君は何というスパイスを。共食い!それは喰種にとって禁断のリンゴ。君はさらなる力を欲したんだね!」
習「ああ。食べたい。知恵の実を屠ったアダムを、more, moreスパイシーな金木君を、この僕が!」「東京喰種√A」(第2期) 3話より
その際上記のセリフを(スポットライトの下で)語り、食材としての金木への執着が健在であることを見せつけました。
2人の過ごした時間を振り返ると、特に√Aではカネキを見守ることが多かったことがわかります。
金木と離れている時間が多かったこと、それによって食材を最高の味に仕立てる努力を怠ったことが彼の後悔につながり、失った悲しみを深めたのかもしれません。
食材・金木研の価値は記憶の有無で失われるのか
第2期まで習が金木を追いかける姿を見てみると、食材としての彼に執着している様子がよくわかります。
しかし、これだけでは9話で金木の記憶を取り戻そうとした理由がよくわかりません。
食材という面で見れば、琲世と金木の肉体は同じものなので、リゼの赫包を持った半喰種であること、共食いをした事実は変わらないはず。
それでも習は金木の記憶にもこだわり、自分のことを思い出してほしいとあの手この手を使ってきます。
記憶さえもスパイスになる?
習はただ人間を食らうだけでは飽き足らず、その人間のストーリーさえも食に組み込むタイプの喰種です。
そんな彼ですから、おそらく金木の肉体をただ食らいたいのではないのだと思われます。
無二の友人である自分(習が一方的に思っている可能性もある)に食べられる金木を味わいたいと考えているのではないのでしょうか。
その際に、記憶こそがスパイスになるため、金木であった頃のことを思い出してほしいと願っているというようにも考えられます。
習にとってのナイスデイ
出典:東京喰種:re/5月30日放送/BS11
掘から送られた写真を見て、2年前に別れた者たちはどうしているだろうと習は話します。
今はなき、あんていくに集っていたメンバーがどうしているのだろうと話す姿は、非常に懐かしそうで、哀愁がただよっていました。
習はあまり友人が多くはないタイプのようですから、金木を通してできた同胞たちとのかかわりを楽しんでいたのかもしれません。
9話の冒頭、琲世に会いに行く直前に「またナイスデイを過ごそう」という心の声があります。
習にとって、金木を追いかけた日々を含めたあんていくとの関りは本当に楽しいもので、まさにナイスデイと形容するにふさわしいものだったのかもしれません。
おそらく彼は食材としての金木の他にも、輝かしい時間を取り戻したいと願っているのでしょう。
その楽しかった日々の象徴が金木であったために、彼という存在にこだわったのではないでしょうか。
小話・習と金木はスカッシュをしたのか
自室にて「まずはスカッシュから始めようか…」とつぶやく習。
はじめはついに習が妄想をはじめたのかと心配になりましたので調べてみました。
アニメでは描かれていませんでしたが、原作マンガ「東京喰種」第36話に二人がスカッシュをしているシーンがあります。
アニメの時間軸では、第1期4話で2人が喫茶店を訪れる前ということになるようですが、実はアニメ版では喫茶店で待ち合わせをしていました。
つまりスカッシュをした事実がないのです。
今期の「:re」はアニメオリジナルストーリー「√A」の続編ということですから、やはり興奮で異常をきたした習の妄想ととるべきなのでしょうか。
偽装喰種作戦の意図とは?
前回、マスクのオーダーメイドができるかウタに尋ねた琲世。
それはクインクス班員のマスクを作成し、喰種になりすますための問いでした。
喰種になりすます目的については「喰種の世界に潜り込む…」と答えます。
ロゼは「痕跡をほとんど残さないため、糸を手繰るような捜査になるでしょう」と宇井特等も話しています。(第8話)
この偽装喰種作戦は一見ロゼ捜査の糸をつかむための策略にも思えますが、果たしてそれだけなのでしょうか。
記憶の奥底にいる芳村
第8話でヒナミに面会した直後、琲世は「なんで、喰種に肩入れしているんだろう…?」と自分の揺れる気持ちを感じていました。
喰種との戦闘はするものの、とどめをさすことをしない琲世の姿勢は、閉じられた金木の記憶がそうさせるのではないでしょうか。
芳村「君に私たちのことをもっと知ってほしい。我々がただの飢えた獣なのかどうか。」
「東京喰種」第1期 2話より
この言葉の直前に「君は人間の世界にも喰種の世界にも居場所を持てるただ一つの存在なのだ」と金木は
自分と(手法が異なるとはいえ)同じように、喰種と人間の世界で生きられる可能性を持つクインクスたち。
出典:東京喰種/2014年7月11日放送/TOKYO MX
琲世は意識していないのかもしれませんが、彼らに喰種のことをもっと知ってもらいたいという願望が、偽装喰種作戦の深層にはあるのかもしれません。
ロゼvs. CCGの火種、キジマ式の行動
前回、CCGに拘束されてしまったロゼ(月山家)のユウマ。
彼は囚われた後にキジマによる厳しい拷問にかけられていました。
その一部を動画にしたものがCCGのウェブサイトで公開され、月山家当主の
舌を切断されたユウマの姿を見せて「彼にはいらないものが多すぎる」とキジマはロゼをあおるような言動をします。
次回予告では、月山家とロゼとの関係が知れてしまい、「駆逐作戦」が提案されたような様子でした。
なぜ駆逐作戦にまで発展してしまうのか、そこまでのルートを推測してみようと思います。
ユウマ奪還のリスク
9話中では観母がユウマを救出するか決断した様子は見られませんでした。
これは私の個人的な所見ではありますが、キジマからの挑戦状である以上、ユウマを助けるというのはリスクが大きいと考えられます。
前回も少しお話ししましたが、富豪喰種・月山家と言えど、ある程度CCGの戦力がまとまると多大な犠牲が出てしまうことが予想されます。
ユウマがどこにとらえられているのか、キジマの戦闘パターン、そして陽動に乗った場合に集まる戦力…。
様々な情報が不足している今、彼を助け出すというのは非常にリスキーだと考えられます。
そう考えると、観母が容易に動くとは思えません。
習の独断が導火線となりうるか
習はユウマが捕えられたことについて心を痛めながらも、金木(
しかしその根底には、自分の知っている金木くんはすぐに取り戻せるという思い込みが働いているように感じます。
一方琲世はニシキを見た時とは異なり、習についてはなにも思い出せない様子。
習がこの思い込みを持ち続けたまま現在の琲世と接触した場合、ロゼとそのバックにいる月山家を嗅ぎつけられ、全面戦闘となる結末も想像できます。
2枚目の写真に込められたメッセージ
習がCCGとの戦闘を持ち込むという説に待ったをかけるのが、掘から託された2枚目の写真です。
そこに写っていたのは金木研が行方不明になっていることを示すポスターでした。
出典:東京喰種:re/5月30日放送/BS11
ここから読み取れる事実は、CCGという公の機関に保護?されながらも、金木研という人間はいまだに行方不明扱いだということです。
カナエから様子を聞いた掘が「そこにいるのは金木研ではない」「金木は現在も失われたままだ」と習に言っているのではないかと考えています。
琲世との会話で、肉体は同じであれど、本の趣味など金木と琲世は違う考えを持った存在であることを突き付けられた習は、そのメッセージを的確に読み取ったようでした。
このメッセージで習が冷静になれば、彼の行動が対決の導火線となる可能性は極めて低くなるでしょう。
アリザの動き
ユウマの恋人であるアリザ。
彼女の動向が9話では全く見えませんでした。
ユウマの救出は非常に困難を極めるものである以上、少しでもその動きを見せるのもまた容易な話ではないのです。
しかし恋人があのように惨い目にあっていると知れば、何かしら行動を起こしたりしたくなるのも無理はありません。
現在動きが見えていないアリザが、CCGに決定的な何かを与える可能性もあるのではないでしょうか。
クインクス班vs. アオギリの樹
カナエの策略によりアオギリとクインクス班の戦闘が始まりました。
今回はストーリーの中で納まる程度のいわゆる小競り合いと言った雰囲気でした。
喰種集団のまとめ
このバトルは、カナエがアオギリに仕事を依頼するところから始まります。
今回も新たな
対CCG最大勢力、アオギリの樹
元々11区に拠点を構えていた喰種集団。
タタラ、エトを中心に構成されたグループで、構成員も第1期10話時点で200人以上と喰種集団の中でも最大の数。
またエトは
その他主要な構成員は、アヤト(トーカの弟)、ナキ(ヤモリの手下)、ノロ、トルソー、オウル(滝澤政道/元CCG)など。
今回登場した、
謎に包まれたピエロ
拠点、構成員数、目的、そしてボスさえも不明な謎に包まれた集団。
現在分かっていることは、ウタ、ロマ(√Aではあんていくで働いていた)、ニコ(√A1話でピエロマスクをかぶっていた)などが所属しているという程度。
月山家の使用人・ロゼ
今回CCGに狙われているのが、ロゼ。
月山家の使用人たちのみで構成されていると思われます。
習が暴食を繰り返していた時期に、大量に人間を誘拐・捕食していたことからCCGに目をつけられました。
vs. カナエ。フレーム4の力発揮
出典:東京喰種:re/5月30日放送/BS11
マスク姿でクインクス班の前に現れたカナエ。
琲世、瓜江、
前回は3人がかりでもカナエ傷を負わせたのみ。(
今回の相手は瓜江と不知の2人で、一番強い
カナエが余裕で主導権を握ると思いきや、やや劣勢という展開でした。
いよいよ瓜江がフレーム4の力を使いこなしてきた様子が見て取れます。
カナエも月山家の血縁であること、習の側仕えが許されていることを考えると、決して弱い
それにも関わらず、赫子の力がまだ不完全な瓜江が押したということは、クインクスに埋め込まれた
フードの男はやはり亜門なのか?
出典:東京喰種:re/5月30日放送/BS11
喰種に襲われていた才子を助けた謎のフードの男。
OPでは
√A最終話で暁は壊れた亜門のクインケを見つけて、そこに膝をついて泣いていました。
クインケこそ見つかったものの、彼の姿は見つかっていません。
出典:東京喰種√A/2015年3月27日放送/TOKYO MX
フードの男の特徴を才子は「黒い大きい人」と話しています。
黒いはさておき、亜門上等は身長191cmありますので、大きいという特徴にはあてはまるでしょう。(才子の身長は143cmなので、大抵の男性は大きく見えるかもしれませんが)
しかし7話では、「共喰いの形跡があった」という暁のナレーション部分にフードの男が登場しています。
共喰いの犯人がこのフード男だとするならば、亜門は喰種にされていることになります。
アオギリによって喰種にされたのだとすると、なぜアオギリと行動を共にしていないのでしょうか。
また、才子を助けたことから人格が残っているのだと推測されます。
なぜ滝澤のように喰種の人格に飲まれなかったのかという点も気になるところです。
東京喰種:re(アニメ)8話の感想
今回は考察も習さまに偏りましたので、正直今夜夢に出てきそうなくらい、習さまのシーンを振り返りました。
屋敷に引きこもっていたこともありますが、彼自身まだ空白の2年間を埋められていないように感じ、少しかわいそうな気も致しました。
これはストーリーとは全く関係がないのですが、習さまをまとめる中で、東京喰種シリーズは本当に空など、自然の情景をきれいに描いていると感じました。
今回、アイキャッチ画像を掘と習の回想シーンにしたのも、やはり空がきれいに描かれていて、2人の会話ごと好きになったからです。
今回のストーリーでは
彼の葛藤については、彼自身の答えが出てからまとめたいな、とは思っています。
そして次回予告で聞こえた「月山家駆逐計画」という不穏な単語。
政財界にも影響力を持つ月山家がなぜ標的になったのか、非常に気になるところです。
来週はロゼ編が一気に動き出しそうな予感がいたします。
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