今週もジャム君が、アニメ「スライム倒して300年」の記事をお届けします。
前回は、ロッコー火山で行われたライカの姉・レイラの結婚式を荒らしに、ブルードラゴンたちを引き連れたフラットルテが登場。
その場にいたアズサやベルゼブブの機転により、騒動は収束、フラットルテにブルードラゴンとレッドドラゴンとの不戦条約を結ばせることにも成功していました。
「スライム倒して300年」非公式のブラウザゲームも対応済みだし、大変だったなぁ……
そしてアニメ「スライム倒して300年」5話では、フラタ村の踊り祭り・前日祭のひとつの出し物として、喫茶「魔女の家」がオープンするのかと思いきや、ハルカラがナスクーテの街に新しく工場を移転させるという話でした。
もともとハルカラは、善い枝侯国に栄養酒の工場を持っていましたからね。
ですが、工場予定地には幽霊が出るという噂があり、従業員は集まらず、幽霊のロザリーを連れ出したはいいものの、今度はハルカラの体からロザリーが抜け出せなくなるというピンチに。
ロザリーを連れ出すために呼び出されたベルゼブブも不幸でしたが、体からロザリーを出すためにさまざまな実験をされていたハルカラが、一番の被害者ですね。
そんなロザリーをめぐる、アニメ「スライム倒して300年」5話を考察していきます!
なるべく少なくするつもりですが、ネタバレを避けたい方は、ご注意ください。
原作からの変更点
スライム倒して300年5話は、ちょいちょい原作からアニメ化にあたり、変更されていた点が見受けられました。
大きなものから小さなものまで、簡単に解説しておきましょう。
ナスクーテの街
アニメ「スライム倒して300年」5話では「ナスクーテの街」として登場していた、ハルカラがナンテール州で栄養酒の工場を作ろうとしていた街ですが、ここが原作からアニメ化にあたり、変更されている点のひとつです。
出典:スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってました/5月8日放送/TOKYO MX
とはいっても、大きな変更ではなく、ごくちょっとした変更にすぎません。
原作では、街の名前が「ナスクーテ町」や「ナスクーテの町」と呼ばれていたのが、「ナスクーテの街」と漢字が変化したにとどまります。
漢字が変化すると、意味としては次のような変化が生まれます。
町
人家が多く集まっている地域。行政区画の1つ。
町政の当事者。
「下町」「町ぐるみ」「町役場」「城下町」「観光の町」
※一般的にはこの「町」を使うことが多い。
街
人通りが多い、賑やかな通り、区域。
「学生の街」「街角」「街を行く人」「街の声」「街の灯」
※「町」に比べると情緒的。
「にぎやかな町」はその行政区域すべてがにぎやか。「にぎやかな街」は町の中のある通りがにぎやかという違いがあるが、耳で聞いては分からない。
つまり、このとおりの意味を持たせると、原作の「ナスクーテ町」はナスクーテという地域や町という行政区画名であるのに対し、アニメの「ナスクーテ街」だとナスクーテという区域を指すことになるでしょう。
どちらにせよ、フラタ村お隣の街であることには変わりありませんので、深く考える必要はないかもしれません。
ですが、あえて突っ込んで考えると、ナンテール州にあるナスクーテ街となってしまうと、税収的にはほかの街と共存している区域のひとつとなってしまう気がしますので、ハルカラがいくら栄養酒づくりで儲けたところで、州知事ゴルダーの懐が簡単に潤う(のちに逮捕)仕組みになってしまうわけですね。
それも踏まえて考えると、アニメだとフラタ村の財政も、ナンテール州で一括管理されていると考えるのが妥当で、いくらフラタ村近くで喫茶「魔女の家」などを開きフラタ村の税収が増えても、州知事ゴルダーや財務担当者などが適切な評価をしてくれていないと、どれほどフラタ村でお金を落とす人が増えても、村の利益としては大したものが見込めないでしょう。
税金として持っていかれない利益分は、村の人間の利益にはなりそうですけどね。
喫茶「魔女の家」
スライム倒して300年5話は、幽霊のロザリーをハルカラの工場から連れ出す話になっていましたので、アニメでは給仕姿のライカという尊い姿が見られる喫茶「魔女の家」は行われないと思われます。
話の流れ的に、前回やったレイラの結婚式の後に喫茶「魔女の家」を行ってから、今回のロザリーを連れ出す話になるはずだったのですが、喫茶「魔女の家」の話自体が一切出てきませんでしたので、喫茶「魔女の家」2年目から参加のロザリーを家族に迎えてしまった時点で、喫茶店イベントは発生しないと考えるのが妥当でしょう。
ジャム君としては、喫茶「魔女の家」のお話、結構好きだったんですけどね。
どんな話なのか気になる方は、小説やコミックスでお楽しみください。
ハルカラのお別れ会で用意されたサプライズプレゼント
ハルカラの卒業疑惑という、ハルカラが高原の家を出ていってしまうという勘違いから生まれたハルカラとのお別れ会は、アニメ「スライム倒して300年」5話でも開催されていましたが、そこで用意されていたサプライズプレゼントの数々は描かれませんでした。
出典:スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってました/5月8日放送/TOKYO MX
ファルファからはハルカラに宛てた手紙、シャルシャからはハルカラの絵、ライカからはハルカラの嗜好に合わせた料理、アズサからは30万ゴールドの葡萄酒「女神の涙」と50万ゴールドの蒸留酒「栄華」が贈られたことになっています。
アズサなんて、1匹200ゴールドにしかならないスライムを倒して基本的な生計を立ててきましたので、80万ゴールド分のお酒を用意するためには、スライムだけ討伐するなら4,000匹倒さねばならない計算です。
そんな感動的なサプライズプレゼントのシーンが、全カットというのは、なかなか寂しいお話。
ロザリーに取り憑かれ、ハルカラの意識を覚醒させるために使ったお酒や、ロザリーがハルカラにお酌していたお酒が、描かれなかっただけで実はアズサのサプライズプレゼントだったという可能性はあります。
まあ、ハルカラが高原の家を出ていってしまうという疑惑はアバンで早々に解決していましたし、ロザリーの連れ出しとハルカラの体からの取り出しというメインの話を描くには、あまり必要ない項目ではありますからね。
ベルゼブブを呼び出した魔法
スライム倒して300年5話で、幽霊が出るという騒ぎがあり、無関係ながら一番の被害を被ったのがベルゼブブと言えるでしょう。
これも、ハルカラを追いかけてきた3話で、アズサに召喚魔法を教えてしまったために起こった悲劇です。
召喚魔法の呪文
アズサがベルゼブブに教えてもらっていたベルゼブブの召喚魔法の呪文は、魔族語を使っているため、言葉の意味がわからない上に発音が難しいです。
\ヴェイアニ・エンリラ!/
出典:スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってました/5月8日放送/TOKYO MX
「ヴォサノサノンンヂシダウ・ヴェイアニ・エンリラ!」って、マジで発音しにくい!
で、そんな魔族語の呪文を唱えてベルゼブブを召喚しようとした結果、ベルゼブブは魔法陣から現れず、高原の家のお風呂から出現……
しかも、節約のために前日の残り湯が入っていた水風呂状態だったため、ベルゼブブにとっては災難ですね。
出典:スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってました/5月8日放送/TOKYO MX
この災難があったからこそ、ハルカラの体の中に入ったロザリーを引っ張り出すのに役立ったわけですが、そもそもアズサの発音が雑だから召喚場所がズレてしまったと、スライム倒して300年5話で、ベルゼブブも語っていましたね。
もちろん、アズサが故意に雑な発音をしたわけではなく、単に魔族語に慣れておらず、発音が下手なだけです。
「ヴォサノサノンンヂシダウ・ヴェイアニ・エンリラ!」なんて発音のしにくい呪文を、最初から完璧に使いこなせるほど、アズサはチート能力を持っているわけではありません。
出典:スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってました/5月8日放送/TOKYO MX
レベル99ではありますが、人間としてレベルMAXになっていただけで、スローライフを送っていたアズサは魔族に詳しいわけでもなんでもなく、300年生きてきた「人間としての」知識と「前世」の記憶、そして魔女として「薬草の知識」くらいが評価されるくらいの知識レベルです。
単純な知識量でいえば、50年程度しか生きていないファルファとシャルシャのほうが勉強家であり、大学教授と肩を並べるほどの知識を有していますので、アズサよりも賢いとは言えます。
それでも魔族語までは習得していませんし、たとえ習得していても、ファルファやシャルシャ程度の魔力じゃ、ベルゼブブを召喚できなかったでしょうけどね。
ちなみに、ファルファは理系、シャルシャは文系寄りと、好みの分野が分かれていますので、双子を合わせるとより優秀度が増します。
ビビりなアズサとハルカラ
ベルゼブブを呼び出し、幽霊が出るという、ナスクーテの街のハルカラの工場に行くことになったアズサとハルカラですが、アズサとハルカラのビビりっぷりが笑えましたね。
レベルMAXで最強の魔女なんて呼ばれているアズサですが、意外と乙女っぽい弱点だったりします。
幽霊は怖い
アズサと言えども、幽霊には未だ出会ったことはなく、前世の記憶からも怖い存在であるため、どうしてもビビってしまいます。
出典:スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってました/5月8日放送/TOKYO MX
いくらステータスやレベルが高かろうが、転生時にメガーメガの好みだと言っていた、見た目は17歳の女の子。
転生前は27歳で過労死し、転生してから300年は生きているので、精神年齢的には見事なBBAですけどね。
これまでのお話は、ジャム君の作ったゲームでも、すでにアニメをなぞっていますので、そちらも参考にしてみてください。
アズサは見た目の17歳ほど若くはありませんが、幽霊なんて見たことはないため、怖いものは怖いわけです。
ハルカラもエルフのため、見た目に反して200歳を超えているので、こちらも見事なBBA。
ハルカラは、ステータスも低く、よくトラブルに巻き込まれる残念な子なため、幽霊騒ぎでビビっていても仕方がありません。
そもそも、ビビらずに退治できるほどの度胸を持っているならば、高原の家で相談するまでもなく、ハルカラ一人で対処できるはずです。
幽霊にハルカラ一人で対処できないからこそ、ナスクーテの街で従業員を集めるのもままならず、高原の家で「工場に幽霊が出る」という話をすることになったわけですからね。
出典:スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってました/5月8日放送/TOKYO MX
ハルカラはビビりで力が足りず、アズサは力はあるものの幽霊は怖く苦手なため、「助っ人が来る場合に限る」と言ってベルゼブブを召喚することになっています。
農相の仕事もあるベルゼブブからしたら、いい迷惑でしかないわけですが、それでも手を貸してくれるなんて、相当なお人好しですよね。
実はライカも苦手
アニメ「スライム倒して300年」5話では描かれませんでしたが、実はライカも幽霊のような「怖い話」は苦手としています。
レッドドラゴンで300歳くらいなわけですが、ドラゴンだって女子として怖いものは怖いということですね。
原作でも「怖い系の話」が出てくると、アズサとともにライカもビビっています。
子どもっぽい無邪気さと、研究対象としての好奇心があることから、高原の家で幽霊に耐性があるのは、ファルファとシャルシャくらいなものでしょうね。
もちろん、今回ロザリーが家族に加わりましたので、ロザリーも幽霊や悪霊の類にはめっぽう強いです。
ロザリー自身が幽霊ですし、アニメ「スライム倒して300年」1期には出てこない気がしますが、サーサ・サーサ王国の悪霊のムーなんかとも、ごく自然に会話できてしまいます。
ロザリーの死因
スライム倒して300年5話で、ハルカラの工場に取り憑いており、地縛霊をしていたロザリーですが、なぜロザリーは地縛霊となってしまっていたのでしょうか。
その原因は、ロザリーが吐き捨てるように言っていた、両親の話に深く関わっています。
ロザリーは両親に騙されて死んだ
ロザリーは、父親と母親に「貴族のところに嫁げる」という話を聞いていたにもかかわらず、そのお話は真っ赤なウソ。
\全部騙してやがった/
出典:スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってました/5月8日放送/TOKYO MX
ロザリーを「貴族のところに嫁げる」という美味い話で騙して、はした金で娼館に売り飛ばされそうになったため自殺したのが原因で、地縛霊をしています。
両親に裏切られ、娼館という「女性を売り物」にする場所にはした金で売り飛ばされそうになったからこそ自殺し、両親への恨みが消えず、今でも地縛霊として存在してしまっているというわけ。
ロザリーの両親は、最低最悪の人間だったことがわかりますが、生きていくためには娘を売ってでもお金を作らねばならないほど、切羽詰まっていたのかもしれません。
切羽詰まっていたからといって、ロザリーを騙して売り払おうとしていい理由にはなりませんが、何百年も昔という話であれば、アズサが転生したファンタジー世界ならば、娘を売り払うくらい、ごく自然に行われていた気がします。
出典:スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってました/5月8日放送/TOKYO MX
「まあ、過ぎたことさ」と強がっては見せていましたが、当時は自殺するほど辛い出来事だったことは確かです。
死後にグレたロザリーはあり得るのか
現代でも、貧富の差が激しい国では、人身売買が行われていることもありますし、このファンタジーの異世界ならば、娼館に売ることくらい、数百年前ならば当たり前の出来事だったとも考えられます。
出典:スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってました/5月8日放送/TOKYO MX
当時は「おしとやか」と言われていたロザリーが、グレて態度が悪くなっていたのも、ベルゼブブに言わせてみれば「年ごろの娘が親に裏切られたら、それくらいの変化はある」ということですので、魔族側としても前例がないケースとは言い難いと思われます。
仮にロザリーが死ぬことはせず、人生をまっとうしたとしても、親に騙される前には「おしとやか」と言われていたロザリーが、騙されていたと知ったあとも「おしとやか」でいる理由などありません。
むしろ、両親を恨み続けるために、今のように「グレた」ロザリーが娼館に売られることになったのではないでしょうか。
そう考えると、死後も両親のことを恨み続けられる地縛霊としてこの地をさまよい続けていたロザリーならば、死後にグレても不思議はありません。
死んでからもずっと「おしとやか」でいられるようならば、大した恨みでもないため地縛霊にならないか、一時的に地縛霊になっても自分を騙した両親の死後に成仏するなど、ハルカラの工場に出る幽霊騒ぎになるよりずっと前に、いなくなっていたことでしょう。
アニメ「スライム倒して300年」5話の感想
アニメ「スライム倒して300年」5話では、ハルカラがナスクーテの街に新たに建てた栄養酒の工場に出てきた地縛霊のロザリーを工場から連れ出したものの、ハルカラの体にすっぽりとハマってしまったロザリーを引き出すのに、ずいぶんと苦労させられましたね。
しかも、ハルカラの体とロザリーの魂を分離する方法は過激なものばかりで、運が悪ければ死んでいたのはハルカラなのですから、笑うに笑えない事態です。
出典:スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってました/5月8日放送/TOKYO MX
まあ、ハルカラ自身の工場の問題ですし、ロザリーが取り憑けるのは、ベルゼブブ、アズサ、ハルカラの3人だとハルカラしかいませんでしたので、仕方がない面もあったでしょう。
アズサとベルゼブブは強くて隙がないため入ることができませんし、ハルカラに取り憑くのが合理的です。
ロザリーの辛い身の上話を聞かされることにもなった、スライム倒して300年5話でしたが、ロザリーを高原の家の家族に迎えハルカラの工場である栄養酒を作るハルカラ製薬はナスクーテの街で稼働できるようになりますし、ロザリーもナスクーテの街の人々に受け入れられていましたので、ロザリーの問題は見事解決ですね!
そして、ストーリー進行の考察は喫茶「魔女の家」のお話がなかったためズレてしまいましたが、次回は魔族褒章の話になるのか、それともハルカラの冤罪の話になるのか、次回予告がない分だけ気になります。
どちらの話になっても面白いはずなので、次週も期待して待ちたいですね!
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