みなさまこんにちは。
東京喰種:re(アニメ)担当のnk(エヌケー)です。
まずは東京喰種:reファンの皆様待望の情報が、6月14日発売の週刊ヤングジャンプにて発表されましたね!
いやはや、本当にうれしすぎて早くも10月が待ち遠しいです。
原作マンガ「東京喰種:re」も残すところ3話。
ぜひともラストまでアニメ化してほしいところですね。
さて、先週火ぶたが切って落とされたCCG vs. 月山家の戦闘。
11話は大盛り上がりのバトル回でした。
前回迷いが吹っ切れた様子の
10話の記事同様、これまでの考察を深めるようなシーンもありましたので、そちらにも触れさせていただきます。
松前と習
松前という女性はロゼの中心的な役割を果たす、月山家の中でも戦闘力の高い
同時に、習にずっと付いてきた使用人でもあります。
『東京喰種PINTO』では、習の担任教師として晴南学院大学付属高校に潜入。
表向きは習のことを「月山くん」と呼び、2人の間柄を伏せていました。
今回彼女は高校時代よりもずっと前、習が幼いころから側にいたことが判明します。
出典:東京喰種:re/6月12日放送/TOKYO MX
こちらの画像の回想が、今回とても印象的でした。
手の甲へのキスは目上の人に対する尊敬の念を表します。
目上の人が差し出した手をとり、相手よりも腰と頭を低くするのがマナーのようですが、このころは習の身長もだいぶ小さかったですので、立ったままではそれはむずかしいようですね。
通常は男性から女性に贈られるものではありますが、単に目上の人に対するあいさつである場合が多いようです。
また、中性ヨーロッパの騎士道精神の名残でもありますので、松前が「私はあなたの騎士です」と意思表示をしているものなのでしょう。
その他、2人にとっては指切りのような約束の意味もこめられていました。
「必ず戻ると約束してくれるか?」と不安げに尋ねる習。
回想では松前に「今日は早く戻れるか?」と聞いています。
習にとって手の甲へのキスは、松前が側にいない不安を和らげるおまじないみたいな意味もあったのかもしれません。
それが果たされないことで、悲しげな表情を浮かべる習ですが、その後たった一人で屋上へ向かいます。
琲世vs. 習
今回見どころの一つが
習の心情の変化が良く見えたシーンでもありますので、少し細かくみていきたいと思います。
過去との決別と当主としての決意
出典:東京喰種:re/6月15日放送/TOKYO MX
習「投降などしない。父が…皆が僕を生かすためにその命を賭した。もはやこの身は僕だけのものではない。ミスター佐々木、君のことなど知らない。」
「東京喰種:re」(第3期) 11話より
このセリフには1.カネキとの決別、2.当主・月山習の決意という2つの心情変化を読み取ることができると思います。
1.カネキとの決別
習「この世には去っていくには大事なものがあまりに多すぎる。僕は確実に楽しんでいた。皿に盛り付けられた馳走をただ眺める日々を。僕は…楽しかったのだ。」
「東京喰種:re」(第3期) 10話より
前回上記のモノローグと一緒に涙を見せた習。
11話の「君のことなど知らない」というセリフから、10話でのこのモノローグはナイスデイに別れを告げるものであったことが推測されます。
「僕は…楽しかったのだ」と思ったときは、彼自身まだ月山家駆逐計画のことは知りませんでした。
それでも楽しかっ「た」と過去形で語ったのは、琲世との会話により、かつての日々を取り戻せないことを悟ったからだと思われます。
今の生活を捨てられないと話す琲世と、去っていくには大事なものが多い(=月山家を捨てられない)自分が重なって見えただけに、それは切実な別れだったのでしょう。
その上で、今回、「君のことなど知らない」と言ったのは、過去を断ち切り、自分の大事なものたちの意思を継いで生きていこうという、カネキとの完全なる別れを意味しているのだと思います。
2.当主・月山習の決意
「もはやこの身は僕一人だけのものではない」というセリフ。
これは直前に松前が言った「もとよりこの命、あなたのためのモノ。どうか無駄になさらぬよう」という言葉、そして「僕がみんなの命をすべて背負う……?」(「東京喰種:re」(第3期) 10話)という習のセリフに対応したのもだと考えています。
つまり、今CCGと戦っている者たちの命をすべて背負った当主になるだと主張しているのだと思われます。
そして、月山家を慕い、尽くしてくれた者たちの存在を背負い続けた父・
前回、父の偉大さを知った習はこれから自分に集う者たちの命さえも背負っているのだと自覚したのかもしれません。
当主となる覚悟を決めたがために、琲世のことをあえて「鳩の捜査官よ」と彼の立場で呼んだのではないでしょうか。
小話・懐かしの手順
琲世との戦闘中に「そうとも、懐かしの手順さ」という習。
これは一体いつのことを指しての「懐かし」なのでしょうか。
出典:東京喰種√A/2015年3月6日放送/TOKYO MX
カネキと習が最後に戦ったあんていく襲撃戦前(「東京喰種√A」(第2期) 9話)では、取り乱した習は蹴りを使っておらず、「隙を見ての蹴り」という部分に一致しません。
このときはどちらかというと、感情にまかせた大ぶりな攻撃でしたので、月山が指している戦いとは違うように思われます。
さらにさかのぼって、「東京喰種」(第1期)5話では、金木がまだ戦闘になれていないこともあり、今回のような緻密な攻撃を繰り出すまでもない様子でしたし、主に戦っていたのはトーカでした。
これらのことを踏まえると、習の言う「懐かしの手順」とは、原作マンガ「東京喰種」にて、カネキたちが6区にアジトを構えてからの話だと思われます。
その時期は、習はカネキに信用されていないながらも、よく稽古をつけていました。
物語を振り返る中では当時の攻撃パターンを今回再現してみせたとみるのが、妥当だと考えられます。
ノロの正体とは?
今回エトと共に乱入してきたノロ。
彼?はアオギリの中でもとにかく謎に包まれた存在です。
これまでの戦いを振り返りながら、ノロは一体何者なのか考察していきたいと思います。
「東京喰種」(第1期) 11話より
ノロの戦闘シーンというのは実はそう多くはありません。
第1期11話のCCG vs. アオギリ戦のときと、今回くらいのものでしょう。
アオギリ戦ではノロはCCG相手に攻撃力の高さを示した後、ウタ・ヨモ・習の3人を相手に戦っています。
vs. CCG
四方八方からの銃弾の雨を物ともしないノロ。
アヤトのように防御を張っている様子もありませんでした。
その後、巨大な
出典:東京喰種/2014年9月12日放送/TOKYO MX
この銃弾のような攻撃は
このシーンからはノロの赫子の分類の難しさが浮き彫りになりました。
vs. ウタ・ヨモ・習
ウタ「君、何?」
習 「ははは。一番強そうな匂いをたどってきたら相席になってしまいましたね。ミスターハイシ―。」
ヨモ「油断するな。どうやらただの喰種じゃない。」「東京喰種」(第1期) 11話より
これは3人がノロに遭遇したときのセリフです。
ウタが「誰」ではなく、「何」と問いかけていることから、そもそも
その後習が「一番強そうな匂い」と言っています。
喰種は人間よりも嗅覚が鋭く、
第1期6話にてヒナミも「あ、お父さんの匂いだ」と、香りをたどって父の
また、このヒナミの言動から、喰種は個人を特定できるほど嗅覚が発達していることもわかりますし、おそらく赫包が匂いのもとだと推測できます。
さて、グルメとして名を馳せ、香りにも敏感な習が「一番強そう」な喰種がいると感知したということは、少なくとも赫包を持った存在である可能性が高いです。
ヨモも「ただの喰種ではない」と言っていますので、3人の会話から喰種に近い何かであることは確かだと思われます。
この戦いはその後「東京喰種
「東京喰種:re」(第3期) 11話より
ノロの2度目の戦闘となる今回、CCGはその再生能力の高さに苦しめられます。
「√A」1話でもそうでしたが、胴体を切られても糸のような何かが伸びてきて再生する様は喰種とはいえ、異様に思えます。
出典:東京喰種:re/6月12日放送/TOKYO MX
完全な推測ではありますが、この糸のようなものは赫子ではないでしょうか。
これを赫子だと仮定した場合、ノロの正体について考えられる可能性は1.
1.赫者
赫者の特徴として、全身を赫子で覆われている点があげられます。
芳村店長も、どこからともなくマスク状・鎧状の赫子を出現させていましたし、エトも全身を赫子で覆い巨大化しています。
出典:東京喰種:re/6月12日放送/TOKYO MX
ノロはマントの下が見えていませんのでなんとも言えないところですが、全身を赫子で覆われているのであれば、伸縮させて身体を再生させるのも不可能ではないように思えます。
赫者説における問題点として、「再生能力の限界」があげられます。
放出できるRc細胞が尽きてしまえば、たとえ全身を覆っていても再生は不可能です。
とくに今回は脳にあたる部分もクインケで貫かれているにも関わらず復活しています。
こうした芸当はいかに彼が優れた喰種でも、あり得ないことのように思えます。
2.分離型の赫子
これは、彼がそもそも生命体ですらないとする説です。
赫子を束ねた人形であるとするなら、赫子が伸縮と硬化を繰り返して人の形を保っていると考えられますので、無限の再生能力もうなずけます。
また赫子は赫包と結びついたものですので、喰種の匂いがする、という点もクリアできるのではないでしょうか。
ただし、「分離型の赫子にそこまでの性能を持たせられるか」という点に説明がつきません。
8話の記事にて分離型の赫子の原理について言及させていただきました。
その際、分離型の赫子を「何らかの方法でRc細胞を硬化させたまま分離したもので、持ち主の意思ではコントロールできない」と推測しています。
また、ナッツクラッカーや松前の様子を見るに「ある程度の性能を持たせることができるのでは」とも考えました。
しかし、ノロのように「意思をもって戦っているかのように見せる」「分断されたら再生する」という2つの機能を持たせられるものでしょうか。
とくに戦いに関してはノロの巨大な赫子は狙いが確実です。
意思のない人形がそこまでできるのか、現段階では仮説を立てることも難しいように思えます。
出典:東京喰種:re/6月12日放送/TOKYO MX
ただし、今回の戦闘で、足にあたる部分から赫子が伸びている(足が確認できない)ことから、個人的には分離型の赫子説が可能性が高いと考えています。
続・カナエに与えられた骨とリンゴ
出典:東京喰種:re/6月12日放送/TOKYO MX
11話ラストにて、回想やエトとカナエの会話から、カナエは女性であることが示されました。
このことで、10話の記事で考察しきれなかったカナエに与えられたリンゴとは何かという点、エトの目的についてさらなる考察ができるようになりました。
リンゴ=女性としての自覚
リンゴは『創世記』において、善悪の知恵の実であることは前回説明いたしました。
アダムとイブは知恵の実を食べることで、自分たちが裸であること、そしてそれが恥ずかしいことだと気づいて自分の身体を隠します。
これは衣服を身にまとっていないことで自分たちが野蛮なのではないか、という気づきとともに、相手と自分が違うことに対する気づきでもあったかと思います。
つまり、リンゴの実を食べるという行為でアダムとイブは性自認に関する意識が芽生えたのかもしれません。
エトがカナエに与えたリンゴ、それは男性として生きてきたカナエが「女性」である性自認を強めるための知恵だったのだのではないでしょうか。
エトの目的=習をアオギリに迎え入れること?
今回ノロはCCGと戦っている様子から、エトとノロは習を逃がす手伝いをするために参戦したのではないかと思われます。
今回、カナエに骨(おそらく
つまり、エデンの園は月山家を指し、アダム(習)とイブ(カナエ)がそこから出ていき、地上(アオギリ)に移り住むという創世記になぞらえた話なのかもしれません。
もちろん、月山家を去った後、アオギリに加入する保証はありません。
むしろ「:re」は原作のその後である印象が強いですから、一旦反アオギリを掲げた習が簡単に協力するとも思えません。
ただし、8話で考察した通り、アオギリがCCGに何かを奪われた者たちの集団で、鳩と戦うための兵士だとすると、習は大きな戦力になります。
ロゼ編で父や使用人など、大事なものを奪われた習。
没落したとはいえ、月山家は権力者ですから、合流すればアオギリの活動もさらに活発になりそうです。
東京喰種:re(アニメ)11話の感想
いよいよ来週夜明け(最終回)を迎える「東京喰種:re」。
バトル、バトルということは、好きだったキャラクターが次々いなくなってしまうということで、とても悲しかったです。
とくに松前は、習さまに対する愛情の深さが魅力的で、とても好きなキャラクターでしたので、戦闘シーンでさえ涙なしにはみられませんでした。
今回はあまり時間がとれなかったので、考察しきれなかったシーンがたくさんあります。
琲世と有馬の関係、
この辺りは来週に持ち越しという形にさせていただければと思います。
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