ゆるキャン△2期が始まってそうそうですが、残念なお知らせです。
すでにご存じの方も多いでしょうが、ゆるキャン△ SEASON2の2話で使われていた一部のシーンに、不適切な画像が含まれていたため、dアニメストアのような動画配信サービスで配信中の映像が差し替えられました。
今週も面白かったぜ!
と、なんとなく見ていたところ、さほど気にならなかったのですが、言われて見直してみるとたしかにアニメの中に入っていてはならないものが入り込んでしまっています。
正直、悪い意味ではなく、最初に気づいた人は、ゆるキャン△が好きで相当細かいところまで見ているんでしょうね。
2期2話にして、いきなりの問題発覚を起こしてしまったゆるキャン△ SEASON2ですが、何が不適切な画像だったのか、いまいち理解していない方や、Googleマップをそのまま利用していると誤解をしている方に向けた、今回の事件の解説をしていきたいと思います。
公式には謝罪済み
執筆現在、すでに公式ツイッターで謝罪ツイートがなされています。
また、dアニメストアのような動画配信サービスで配信中の映像も、すでに差し替え済みです。
『ゆるキャン△ SEASON2』第2話に、不適切な画像が含まれていましたため、配信中の映像の一部を変更いたします。
皆様にご心配をおかけしましたこと、心よりお詫び申し上げます。
今後もご期待に沿える作品をお届けできるよう、気を引き締めてまいりますので、変わらぬご支援をお願い申し上げます。— TVアニメ『ゆるキャン△』シリーズ公式 (@yurucamp_anime) February 1, 2021
そのため、本件に対しては、ゆるキャン△公式的にも「ユーザーに向けて」は終わったものとして処理していると、ジャム君は考えています。
ジャム君としても、起こってしまったことを迅速に謝罪していますし、再発するような製作環境でないのであれば、それで良いのではないかと思います。
もちろん、実行犯になってしまった製作スタッフや、見抜くことができなかったチェック担当者、現場監督など、社内での処分はこれからかもしれません。
コロナ禍で、携わることのできる人員に限りもありますし、全員クビなんていう厳しい処分はさすがにないと思われますが、いらないものが入り込むきっかけになってしまった実行犯に対しては、大人の都合があろうとも厳しい処分が下っても文句は言えませんね。
むしろ、大人の都合だからこそ、厳しい処分が下されるのかもしれませんし。
そもそも何が原因で謝罪に至ったのか
ゆるキャン△公式には謝罪済みですが、そもそも何が原因でゆるキャン△ SEASON2の2話に問題があり、差し替えまで行わなければならなかったのか、理解しておかねばなりません。
2019 Googleの文字が入り込んでいたGoogleマップの使用疑惑
ゆるキャン△2期2話のラストの方で、道が凍結して帰れない、という電話をリンとリンの母親とでしているシーンがありました。
そこに出てきていた「本栖みち」のワンシーンに、2019 Googleと思しき文字が入り込んでしまっていたのです。
出典:ゆるキャン△ SEASON2/1月14日放送/TOKYO MX
画像で言うと、標識よりも手前、崖のあたりに、うっすらと文字が入っています。
これが、Googleマップを使ったのではないかという疑惑の発生源です。
もっと正確に言うならば、Googleマップのストリートビューを使ったのではないか、と言ったほうが正しいでしょう。
実際のGoogleマップのストリートビューと見比べてみても、かなり似ています。
そもそも、このような文字はストリートビューをそのまま加工するか、意図して入れるということでもしない限りは入り込む余地がないため、今回問題となり差し替えに至る原因になってしまったと言うべきです。
ただ、誤解しないでもらいたいのは、今回Googleのストリートビューをそのまま絵のように加工だけして流用したわけではない、ということです。
Googleマップの利用規約に反していた
Googleマップをアニメやドラマの中で利用すること自体は、違反ではありません。
ただし、帰属情報を含めないといけないというルールが存在します。
Always include the attribution
Always include proper attribution to Google and our data providers. See more detailed info here.
引用:Brand Resource Center | Guidance – Entertainment
Googleとデータプロバイダーへの、適切な帰属情報を常に含めること。
GoogleマップやストリートビューはGoogleのものですので、少なくとも「Google」からデータを利用していることを明示しないと、Googleマップやストリートビューなどを使った放送ができません。
たとえば、Googleに許可を取って、アニメ中にGoogleの商標を入れるのは不都合があるということで、クレジットにGoogleと入れることで合意したのであれば、今回のような問題とはならなかったでしょう。
そのようなこともなく、勝手にストリートビューを使った痕跡のようなものが残っていたことから、公式が謝罪するという事態に陥ってしまったわけです。
ストリートビューの加工だけでは不成立なシーン
問題となったシーンとストリートビューを、再度見てもらいましょう。
出典:ゆるキャン△ SEASON2/1月14日放送/TOKYO MX
たしかに、1から絵にしたのであれば2019 Googleの文字が入るのは不自然ですし、ストリートビューを使ったというのは間違いなさそうです。
ですが、ストリートビューをそのまま加工して絵のようにして、アニメに仕上げたわけでもありません。
よく見ていただきたいのですが、わかりやすい点として、まず本来はあるはずの街灯が、ゆるキャン△ SEASON2の2話にはありません。
また、40km/h制限の標識がアニメの中だと妙な場所に立っています。
仮にストリートビューを「そのまま」加工しただけなのであれば、このような不一致は起こり得ません。
そもそも、Googleのストリートビューは2018年8月に撮影されたものですので、冬の風景にするために加筆修正は必須となるでしょう。
もちろんPhotoshopのようなものを使って、Googleマップやストリートビューを加工すれば、そのままで冬の風景っぽくすることも可能です。
ただしその場合、街灯や標識もそのままでないと、「加工だけ」で済ませた証拠にはなり得ません。
たとえばジャム君でも、Photoshopで写真を加工し冬っぽさを際立たせることは可能です。
加工した画像の雪は、あくまでもイメージ的に作ったものなので、適当すぎるのは笑って見てください。
それっぽくなったでしょう?
もともとレヱル・ロマネスクに出てくるモデルとなっているC12 66を12月に撮影したものですので、雪こそ降っていませんでしたが、夏から冬へのチェンジとはなっていませんけれども、雰囲気は出たのではないでしょうか。
Photoshopで消す、といったこともできますが、あえて街灯を消す必要性を感じませんし、標識の位置ずれが妙ですし、単なるストリートビューの加工というものではないことになります。
ですが、現地取材写真でなく、ストリートビューを使ってトレースした場合、やはりGoogleの許諾を得るか帰属情報を明示する必要が生じます。
「2019 Google」の文字が入り込むということは、単純にトレースしたというよりは、ストリートビューをもとにアニメの1シーンを製作した可能性が大なのですが、その場合はやはりGoogleの帰属情報を明示する必要があったでしょう。
帰属情報がないということは、不適切な画像であったという公式からの謝罪文どおり、ふさわしくない使い方だったと言えます。
差し替えられたシーンはどうなった?
ゆるキャン△2期2話の動画配信サービスの映像は、すでに差し替えられています。
気になる方は、実際どのように変わったのか見てみてください。
明らかにおかしかった「2019 Google」の文字は消えているのはもちろん、街灯や標識も変わっています。
ただ、クレジットに変化はなかったため、やらかしてしまったスタッフが誰だったのかは、知るすべがないようです。
再発防止に期待してゆるキャン△ SEASON2を楽しむべし
決して起こっていいことではありませんが、起こってしまったものは仕方がありません。
大炎上する前に、公式から謝罪があり、迅速に動画配信サービスの映像も差し替えられたというのは、評価すべきところでしょう。
まあ、天下のGoogleから嫌われたら、検索しても自社サイトが出てこなくなるかもしれませんし、円盤の売上程度じゃまかないきれないほどの多額の損害賠償請求されるかもしれませんし、早い判断で火消しをしたのは正解だったのではないでしょうか。
ゆるキャン△ SEASON2は始まったばかりですので、これからもっと良いものを作ってもらえれば十分です。
より良い作品になることを祈りつつ、ゆるキャン△2期を楽しみましょうね!