多数の発症者を生み出した、ひぐらしのなく頃に業15話 猫騙し編 其の弐。
ひぐらし業担当のジャム君です。
さて、前回のひぐらしのなく頃に業では、ようやく現れたと思った羽入が消えたり、大石が雛見沢症候群を発症したり、神剣鬼狩柳桜というアイテムが登場するのかと思いきやカケラしか手に入らなかったり、波乱含みの展開でした。
そんな波乱含みの14話の展開を超えるのが、ひぐらし業15話と言ってもいいでしょうね。
なんと言っても、これまでのひぐらしシリーズでは、袋小路から抜け出すためのキーパーソンだった赤坂までもが、雛見沢症候群と思しき症状を発症し梨花ちゃんを殺す展開に、驚きを隠せません。
ひぐらしのなく頃に業15話の考察ポイントは、次のとおり。
- 雛見沢症候群発症者の殺害動機
- 犯行日の理由
- なぜ4人は発症したのか
- そもそも雛見沢症候群なのか
このあたりを重点的に、ひぐらし業15話の考察を進めていきましょう。
雛見沢症候群発症者の殺害動機
ひぐらしのなく頃に業15話で雛見沢症候群と思しき症状を発症した、赤坂衛・園崎茜・公由喜一郎・前原圭一の4名。
この4人は、それぞれ別の殺害動機を持って、梨花を殺していました。
首がかゆくてかいているのは同じなのに、梨花を殺す理由が異なるということは、それぞれの人物に梨花を殺すようけしかけた人物が違うか、けしかけた人物は同じでもカケラごとに思想が異なるのかもしれません。
赤坂衛の殺害動機
赤坂衛の殺害動機は、「人間の脳内に入り込んだ寄生虫を根絶やしにする」ためです。
\根絶やしにできるんだ/
出典:ひぐらしのなく頃に 業/1月15日放送/TOKYO MX
ただ、梨花には5年前に妻の雪絵を助けてもらった恩は感じているため、主目的は「梨花の脳内から寄生虫を取り除き助ける」ことと言えるでしょう。
実際に、梨花を人質に取って立てこもり、大石に呼びかけもされていましたが、あくまでも人質にしたのは梨花のみで、包丁を振りかざす前にも「君を助けに来た」と言っているくらいです。
そんな赤坂が梨花に対し「もう安心だよ」と言ったのに、自らの脳内に入り込んだと思い込んでいる寄生虫のために火を放ち、結果的には梨花まで燃やすことになってしまっています。
出典:ひぐらしのなく頃に 業/1月15日放送/TOKYO MX
結局のところ、「君を助けに来た」と梨花に一定の感謝を抱いてはいるものの、梨花や自分の脳内に入り込んだと思い込んでいる「寄生虫を根絶やし」にするのが、ひぐらし業15話に出てきた赤坂の殺害動機です。
赤坂ならと期待したのに、身勝手すぎるわね
園崎茜の殺害動機
お魎の娘、魅音や詩音にとっては母親な園崎茜の殺害動機は「雛見沢の血を根絶やしにする」ためです。
\この鬼の血はね!/
出典:ひぐらしのなく頃に 業/1月15日放送/TOKYO MX
園崎家頭首には、代々「鬼」の字が名前に入っています。
現頭首のお魎も、次期頭首の魅音も、名前に「鬼」が含まれていますよね。
それに、もともとは鬼と呼ばれる存在だった羽入を迎え入れた古手家にも「鬼の血」が流れていますし、公由の字もうまく組み合わせると「鬼」の字になる家です。
御三家はどの家も、鬼の血が流れていると言えるでしょう。
また、現雛見沢である鬼ヶ淵では、古くから稀に鬼のように凶暴になり、腸を食べていた村人たちでもあるため、御三家よりは鬼の血は薄くとも、村人もまた鬼の血が流れているとも考えられます。
つまり茜は、「雛見沢の人間を全員殺すことで鬼の血を根絶やし」にするのが、ひぐらし業15話での殺害動機だったと言えるでしょう。
ボクはいなくて、助かったのです……
あぅあぅ~
公由喜一郎の殺害動機
公由喜一郎の殺害動機は、「鬼ヶ淵沼から湧く地獄の瘴気から村を守るため」です。
やっていることは最低ですが、「村のため」と言えば聞こえはいいのは気のせいでしょうか。
出典:ひぐらしのなく頃に 業/1月15日放送/TOKYO MX
確かに鬼ヶ淵沼は、オヤシロさまの祟りがあるときに生贄を沈めていた過去がありますが、人食い鬼が這い出してきたという伝説は単に火山性ガスの噴出であると考えられています。
よって、オヤシロさまと強いつながりを持つ梨花を生贄として沼に沈めたところで、何の意味もなしません。
もちろん、「生贄を沈める」という過去に行われていた言い伝えを実行することで、さまざまな宗教のように自分の中では満足するという可能性もあるのでしょうが、「村のため」と聞こえのいいことを言っても、意味がないことに変わりはないですね。
ただ、自らの手を汚し、お魎や魅音の悪口を言ってまでも梨花を生贄にしていることから、ひぐらし業15話の公由は、あくまでも「村を守るため」という殺害動機を持っていたと考えるべきでしょう。
前原圭一の殺害動機
前原圭一の殺害動機は、「蛆虫病の特効薬を探すため」です。
出典:ひぐらしのなく頃に 業/1月15日放送/TOKYO MX
蛆虫病だなんて、どストレートな名前すぎる上に、うじ虫が湧いている様子もないですけど……
ただ圭一の話もバカにはできず、現実的にうじ虫が体内に寄生することもあります。
そして、うじ虫に対抗するための薬も存在しています。
ですが、圭一が雛見沢に来る前に進学校に通っており、努力の末に成績も上位であったとはいえ、まだ中学生。
医学的な知識があるとは到底思えず、鷹野三四や入江京介のような医学に精通した人物から情報を得ていないと、うじ虫に対抗するため特効薬があり梨花がありかを知っているなど、雛見沢在住歴も短い圭一が知る機会など滅多なことではないでしょう。
ひぐらしのなく頃に業15話の圭一の殺害動機は「蛆虫病の特効薬を探し、手に入れるため」でしたが、圭一にアホなことを吹き込んだ真犯人がいると考えるべきではないでしょうか。
まあ、沙都子にでもからかわれて、それを真に受けて発症してしまっただけかもしれませんけどね。
犯行日の謎
ひぐらしのなく頃に業15話でも昭和53年6月の回想で、赤坂に梨花が自分が殺されることを伝えていることが判明しています。
鬼騙し編から祟騙し編までは、順調に「昭和58年6月19日か、その数日後」に梨花が殺されていたのに、時系列を見てもらえば一目瞭然、てんで5年前梨花が予言したことはあてになりません。
昭和53年6月の梨花の言葉は信頼できない
猫騙し編に入ってしまっている、ひぐらしのなく頃に業15話だからという気もしますが、5年前の赤坂に梨花が言っていた言葉は信頼できません。
出典:ひぐらしのなく頃に 業/1月15日放送/TOKYO MX
昭和53年6月19日に、「昭和58年の今日、あるいはその数日後。私が殺されます」と言ったにもかかわらず、赤坂が現れたひぐらし業15話では、そのとおりに殺されていません。
まずは赤坂に昭和58年6月13日に殺されており、茜には昭和58年6月15日、圭一に至ってはエンジェルモートでの立てこもりが臨時ニュースにもされ昭和58年6月13日に殺されています。
公由には、昭和58年6月21日に殺されたため、5年前赤坂に告げたとおりですが、殺される時期がバラバラすぎて、5年前の言葉の信ぴょう性は担保できない状態でしょう。
そもそも、5年前には羽入がおり、一度は運命の袋小路から抜け出せた梨花の起点ともなっている部分ですので、5年前の発言自体は嘘ではありません。
ただ猫騙し編にいる梨花や、梨花からその言葉を聞いた赤坂などにとっては、信頼できない情報と考えておくべきなのではないでしょうか。
公由だけが梨花の言葉どおりなのは殺害動機のためか
公由だけが、ひぐらしのなく頃に業15話の殺人で唯一、5年前の梨花の言葉どおりの日に犯行を行っていますが、それには理由があるとジャム君は考えています。
その理由というのが、公由の殺害動機にあります。
公由の殺害動機は、先にも述べたとおり、あくまでも「村を守るため」という大義名分がありました。
しかも、鬼ヶ淵沼の伝承を重んじて、生贄を差し出すことや、古手家の人間を生贄として選ぶことなど、鬼ヶ淵の伝承になぞらえて犯行を行っていると思われます。
同じ御三家でも、鬼の名前を持たない茜は、梨花や魅音を首チョンパでしたし、圭一はあいも変わらずバットで撲殺ですし、赤坂は梨花と沙都子が住む家にもともとありそうな包丁や灯油(爆発的に燃えていないしガソリンではなさそう?)でしたし、行きあたりばったりで犯行に及んでいる感が否めません。
なぜ赤坂・茜・公由・圭一は雛見沢症候群を発症したのか
前回の大石の例でもありましたが、ひぐらしのなく頃に業15話でも唐突に4人が雛見沢症候群を発症して首をかいていましたね。
なぜ赤坂衛・園崎茜・公由喜一郎・前原圭一の4人は、雛見沢症候群を発症することになったのでしょうか。
入江機関や山狗部隊などもない世界
雛見沢症候群の発症を未然に防ぐ、もしくは発症してもできるだけ早急に確保し隔離しておくのが、入江機関の役割とも言えます。
軽度の雛見沢症候群であれば、注射で軽度のまま日常生活を送れるレベルなのですから、現実的な病気の抑制と、大差ないレベルといったところでしょう。
実際沙都子も注射で、軽度の雛見沢症候群を抑えていたカケラがありましたし、薬さえあればさほど難しくない抑制方法と考えられます。
ですが、入江機関がなく雛見沢症候群やそれに対抗する薬の研究がなされていないと、発症したら一巻の終わりです。
また入江機関があっても、ある程度の実力行使ができる山狗部隊がいないと、研究員だけでは簡単に取り押さえに行くことは難しいでしょう。
悟史みたいに、入江(監督)に素直についてきてくれれば、楽でいいんですけれどもね……
首がかゆいのは雛見沢症候群なのか
では最後に、ひぐらしのなく頃に業15話で犯行を行っていた4人とも訴えていた「首のかゆみ」や「凶暴化」は、雛見沢症候群によるものなのか考察して締めましょうか。
首のかゆみや凶暴化自体は雛見沢症候群の症状のうち
ひぐらしシリーズで首のかゆみの訴えや凶暴化したキャラは、これまで雛見沢症候群を発症していました。
うじ虫が描かれていることもあれば、H173を投与され、首をかきむしりすぎて富竹が何度も死んでいたり、程度はそれぞれ異なっていましたけれどもね。
出典:ひぐらしのなく頃に 業/1月15日放送/TOKYO MX
前回の大石や、ひぐらし業15話の赤坂たちなどの状況を見てみると、雛見沢症候群ならばL5発症でもおかしくないレベルのかきむしり方です。
動機はそれぞれ異なっていそうですが、理由や方法はどうあれ「梨花を殺す」という凶行に出ている以上、凶暴化もしているでしょう。
また雛見沢症候群では、幻覚や幻聴も起こり得るため、心に秘めており理性で抑制していた凶行を呼び覚ます何かが、見えたり聞こえたりしていた可能性はあります。
急激な発症には違和感
雛見沢症候群は、はっきり言ってH173のような薬で人工的に引き起こされない限り、急激な発症はしにくい病気である気がします。
H173もしくは、似たような薬が出回りでもしないと、特に雛見沢住人でもなければ、5年ぶりに興宮に来たばかりの赤坂が、雛見沢症候群を発症する可能性は低いと考えられます。
とすると、ひぐらしのなく頃に業15話で発症していた面々は、実は雛見沢症候群ではなくまったく新種の病気で、雛見沢症候群と似た症状ながら感染するとすぐに重症化する可能性があるでしょう。
当然のことながら、H173の線も捨てられませんので、入江機関が存在しているのか、また存在しているとして薬の研究や開発をしているのか、まだ語られていないことを知る必要がありそうです。
ひぐらしのなく頃に業15話の感想
猫騙し編2話に入ったひぐらしのなく頃に業15話でしたが、もう梨花ちゃんが前回「5回だけ頑張って」とラストに覚悟していたのが、もうすぐパーになりそうですよ!
すでに4人に殺され、あと1回しか残っていませんからね。
残機はあと1、的な感じ?
これはますます、時系列を再確認しつつ、ひぐらし業を頭から見直して、見落としがないか確認したほうがいいのかもしれません。
にぱー☆
という、梨花ちゃんの素敵な笑顔を見ることはできるのか、猫騙し編を乗り切り、生き延びる覚悟をしてくれるのか、期待に胸膨らませて次回を待ちたいですね!
コメント
動機はそれぞれ違えど、他を巻き込んでの惨劇も込みで
ピンポイントに梨花をターゲットにしている事から、
それぞれ別々の欠片で発症した4人は発症前に誰かに唆されたり、
急激に発症する事になった何かがあったと考えた方が良いでしょうか。
ここまで梨花を一方的に狙い撃ちするとなると、
鬼騙し編がある種のイレギュラーになるのも気になります。
祟騙し編の大石、その前の綿騙しの魅音も梨花が行方不明の時点では
L5になっていないと言ってもすでに発症している雰囲気があり、
梨花が元凶の一つだと思い込んでいました。
ただし、最初の鬼騙しだけは描写された限りでは、
発症したレナは梨花を狙うんじゃなく圭一を狙いに来てました。
黒幕がレナの発症自体が想定外だったのか、
レナの標的を梨花に軌道変更できなかったのか、
何にせよ、鬼騙しだけ、発症者が梨花を狙わなかったのが最大の謎です。
他に発症者がいたのか、それとも黒幕にもレナの行動は想定外だったのか、
もしかすると最初の方は今ほど上手く発症させる事ができなかった可能性も捨てきれません。
個人的には一か八かで鷹野に頼るというのも選択肢の一つではないかとも思います。
鷹野は前作までの黒幕で、数多の欠片で彼女によって惨殺された経験もあるので
鷹野に頼る事で前作と同じ惨殺になる結末の可能性もありますし、
そうでなくとも、鷹野が黒幕の手で今回の発症者と同じように発症する可能性もあります。
ただ、業において鷹野は富竹と共に綿流しの夜にトラックを盗んで消息不明になると
謎の行動が残っていますし、鷹野に殺される可能性も覚悟の上で鷹野に協力を求めるというのも
必要になってくる気もするんです。
鬼騙しでの病院で圭一に首に関して問いた謎の看護婦、
綿騙しでの山狗と思わしき服装の人々と完全に信用できる相手じゃありませんが、
信用できる味方が悉く発症している状況を見るに、鷹野関連の情報を知る為にも
一度、きっちり鷹野と向き合う事も一つの選択として合っても良いと思います。
確かに、鬼騙し編に限って言えば、最終的に何らかの方法で犠牲になったとはいえ、梨花が狙われていない、ひぐらしのなく頃に業におけるイレギュラーなカケラですね。
おっしゃるとおり、鷹野に頼るのも、ひぐらし業においては一つの手な気もしてきます。
何かから逃げるように、軽トラを盗んで富竹と逃げていたというほどですからね。
それも、またも鷹野が黒幕ならフェイクなのでしょうが、二人の死体が出てこない珍しいパターンですので、梨花には今までにない方向から16話以降攻めていってほしいものです。
今回のひぐらしの特徴は、いくつか
の考察でも言われている『ルールの反転』と言うよりも、明らかに梨花が惨劇を回避するために見出した救いの道筋を断ち切って、惨劇を起こさせることを目論んでいる黒幕がいます。
そして明らかに梨花がメインターゲットです。
今回のタイトル『業』
この『業』が何を指しているのか……
カルマとは過去の先祖または前世で起こったことに起因する事象が、その因果によって現世で起きる何らかの現象。
例えばそれは、『やられた側が今度はやり返す』と言うような恨みの為の復讐という事も含まれるかも知れないし、単に古手家の過去の悪行の故かも知れません(今までそんな逸話は無かったので可能性は低い)。
鬼騙し最終話、描写されてはいませんが『あの事件の日の翌日に発見された』だけで、梨花とさとこがレナの持ってきた包丁(敬一を襲ったのと同じ凶器)で殺された可能性は否定できません。既にレナは狂い出して居たんですから。
ひぐらし……が感動的だったのは、繰り返す惨劇の本当の黒幕を、主人公達の絆で倒し、未来を勝ち取った所にあると思います。
となると、やはり本当の黒幕が居るとすれば、キーマンとなる梨花の希望の芽を摘み、ことごとく悲劇に変えて絶望させたい程の恨みを抱いている者……。そしてその人物も記憶を持って転生しているはず。
これまでを通して、綿流しの時点から姿を見せなくなる事で描写されてない二人の人物……。その内の一人が疑わしいのでは……。
行き着くところは、鷹野と富竹コンビのうち、鷹野になってしまう運命なのでしょうか……
そういえば、ひぐらしのなく頃に解には鷹野三四の子ども時代に父親を失わないルートの鷹野も出てきていたので、実は田無美代子側の世界からやってきた、という設定だったりして。
スタッフロールには鷹野三四名義になっていますので、結局は鷹野一二三と何らかの形で縁を持たねば、実現しそうもない話ですけれどもね。
(レナのように自称するのは勝手なので、鷹野も同じなのかもしれませんが)
猫騙し編の5人の急激な発症はH173投与によるものと考えて良いと思います。
じゃあどうやって投与したんだという話になりますが、これは前作のH173に対する先入観によって、H173は注射によって投与されると視聴者の思考がミスリードされているために、このような話になります。
そうではなく、どのようにすればH173を5人に投与できるかを考えると、H173を改良して注射以外の方法で投与すればよいという結論になります。最も有力な手段としては、お茶などの飲み物に溶かして飲ませることでしょう。
したがって、5人を発症させた犯人は、改良型のH173を持ち出し可能であり、H173を投与できる程度には5人に近しい人物に絞られます。
H173は注射器で投与されてきましたが、別に粉末型H173でもいいわけですし、SFチックな首筋にプツっとひと刺しするだけの注射型かもしれませんし、身近な誰かがH173を投与している可能性もありますね。
急激に発症したところを見ると、自然発生的な雛見沢症候群とは思えませんし……
意外と、記憶を見せていない(アニメに登場させていない)シーンで、梨花ちゃまがH173を使っていて、まともそうな世界を探してカケラを渡り歩いてたりして。