みなさまこんにちは。
アニメ
先日の記事を書きあげた後に書店に行き、ショーター役・
PASH10月号に載っていた「アッシュに最期を任せられたことは、ショーターにとって最後の救いでした」という言葉に再度号泣。
[PR]
アニメで彼がなくなってから何週間も経つのですが、未だに心が痛みます。
アニメーションというメディアを通してショーターが好きになったんだなと、改めて実感しています。
さて、先週はゴルツィネ邸での派手な戦闘が繰り広げられましたね。
絶望に陥ったアッシュが
そこからのアッシュの活躍、そして英二との再会のシーンはBANANA FISH全編を通しても上位に食い込む名シーンだと言っても過言ではないのではないでしょうか。
そして今回の11話は無事ゴルツィネ邸を脱出・アッシュの仲間たちと合流できたところからスタートいたしました。
アッシュの様々な顔を見ることができたのが印象的でしたので、今回はアッシュに焦点を当てて進めていきたいと思います。
ストリートギャングのボス
英二がアッシュと初めて出会った時もそうでしたが、彼が表に見せている一番大きな面は「ストリートギャングのボス」としての顔ではないでしょうか。
今回序盤で手下たちに指示をする姿は「王者」という名がふさわしいほどの威厳がありました。
ストリートギャングにとってのボス
出典:BANANA FISH/9月14日放送/フジテレビ
不良少年たちにとってボスが絶対的なものであることは、アニメ1話でも語られていましたし、これまでのストーリーからも読み取ることができます。
ストリートギャングの歴史について調べてみましたが、その起源の正確なところは分かりませんでした。
(専門の書籍などを読めばわかるのかもしれませんが、今回はそこまで時間が取れませんでした。)
ただし、貧困層の若者たちが集団を形成し、生きるために盗みやスリをはたらいてきたのがはじまりのようです。
1965年の移民法では、移民の制限が撤廃されています。
その結果、様々な地域からの移民が増加したのですが、彼らの多くは経済的に貧しい暮らしをしていたようです。
また、アメリカ国内では人種差別が必ずしも払拭されているわけではないこともあり、同じ肌色や、同じルーツを持つ者同士が集団を組むようになったと言われています。
彼らは時として縄張り争いを繰り広げたり、暴力的な活動を行ったりするために、銃をはじめとした武器も持つようになり、度々社会問題となってきた歴史があるようです。
今回の調査を通して彼らにとって、ストリートギャングの活動というのは、1.生きるためのもの、2.自分たちの居場所を守るためのものという二つの側面があるように感じられました。
活動そのものが、彼らの基盤を支えるものであるがゆえに、それを守れるだけのリーダーを自分たちで選出する文化が形成されたのでしょう。
リンクスが数々のグループに勝利し彼らを吸収できたのも、アッシュが強く、頭の切れるボスだったからという要素が大きく、だからこそ、メンバーもニュースをチェックするアッシュを静かに見つめていたのだと思われます。
アッシュがリボルバーにこだわる理由
アッシュの愛銃S&W(スミスアンドウェッソン).357マグナムについては2話の記事で触れていますので、今回は割愛いたします。
出典:BANANA FISH/9月14日放送/フジテレビ
フライという武器商人にリボルバーではなくオートマチック拳銃を勧められた際、アッシュは「必要ない」と答えています。
その理由は、もちろんその後の「歯止めがきかなくなる」が一番大きいと思われますが、それ以外の要素も少し考えていきたいと思います。
(2話、前回とも銃の話は関心が高かったようですので、素人ではありますが頑張って解説いたします!)
リボルバーとオートマチックとは?
オートマチック式拳銃はマガジン内の弾数がリボルバーよりもはるかに多いこと、自動的に
また弾が切れてもマガジンチェンジが簡単に行えるので、利便性が高い武器だと言えるでしょう。
ちなみにフライが勧めていた「コルトガバメント.45ACP」で最も有名であろう銃は、ルパン3世の銭形警部が使っていたM1911。
その名の通り1911年に開発された銃ですが、100年以上経った今でも愛されている名銃です。
アニメではカットされてしまいましたが、アッシュはこのコルトガバメントの銃を手下たちが使うように3ダースほど発注しています。
一方リボルバー式拳銃とはアッシュが使っている.357マグナムのような回転式断層(シリンダー)を持つ銃のことを指します。
2話でも少しお話ししましたが、構造が非常にシンプルで弾詰まりが起きづらい(というか、起きない)点が特徴。
また、不意打ちにも強いのがリボルバーの利点でもあるようです。
リボルバーとオートマチックの違いはこちらを参考にいたしました。
構造も撃ち方もシンプルである分、携行しやすく、弾さえこめてあれば急な襲撃にも対応できるのも、いつディノやオーサーの襲撃があるか分からない現状では魅力といえるでしょう。
リボルバーは弾を使用しきった後に交換するのに時間がかかったり、一発ごと決まった手順を踏まなければ発射できなかったりといったデメリットもありますが、その欠点がアッシュに歯止めをかけるのにはちょうど良かったのでしょう。
それに加えて故障が少ない、携行しやすい、急な襲撃にも対応できるといった点が、アッシュがリボルバーを好む理由だと考えています。
悲しみを抱える17歳の少年
リンクスのメンバーがアッシュの命令で散った後、英二に見せたのは非常に少年らしい一面でした。
その中で見せた弱さは、もう英二にしか見せない姿になってしまったのかもしれません。
出典:BANANA FISH/9月14日放送/フジテレビ
さて、このシーンでアッシュは他人の命を奪ったとき「何も感じなかった」と泣いています。
もちろんアッシュのような優しい少年が、本当に何も感じなかったとは思いません。
では、どうして「何も感じない」と思ってしまっているのでしょうか。
アッシュ自身の心を守るため
個人的な見解ではありますが、アッシュはそういう心のクセをつけてしまっているのではないかと考えています。
6話で初めて他人を撃ったときのアッシュが映し出されていますが、大きく動揺しているというよりは、ただ
本当に何も感じていなかったとすれば、彼はすみやかに家に帰ろうとしたかもしれません。
そうしようとしていない姿を見れば、やはり何かしらの衝撃を受けていたのだと思います。
そして、その衝撃がアッシュにとって耐えがたいものであったために、感情をなかったことにしたのではないかと考えています。
(心理学的なところから言うと、一種の防衛機制だったのだと思います。)
ディノに買われた後に、アッシュはいろいろな人間の命を奪ってきたのでしょう。
そのたびに感情を抑圧(なかったことに)してきたために、他人を撃つとき、無意識にそうする心のクセがついてしまったのではないでしょうか。
おそらくショーターについても同じで、深く傷ついた自分と、何も感じないふりをする自分とがいて、どちらが本当の自分なのか、アッシュ自身もわからなくなってしまったのかもしれません。
インテリ少年・クリス坊ちゃん
次回予告のみに登場したアッシュの偽名・クリス。
原作マンガではディノに抱き込まれた警察から逃れるために、名門お金持ち学校に通うお坊ちゃん(=クリス)を演じて見せたのでした。
ちなみに、マックスはその父親で銀行員という設定で登場しています。
さて、コルシカ・マフィアの動きを封じるために、そして彼らの動向を探るために動きをみせたアッシュ。
マフィアと戦うという点ではストリートギャングのボスとしての顔と変わりませんが、こちらは頭脳とコンピューターを駆使して戦うアッシュに焦点をあてていきたいと思います。
そもそもアッシュはディノに対してどういう攻撃を仕掛けたのでしょうか、そして深い悲しみの中でなぜアッシュが再び戦うことができたのでしょうか。
ドロボウ行為の全容
株の大暴落?
まずアッシュがディノに対して行った攻撃は、「ディノの会社の株を暴落させること」でした。
そのために主だった証券会社に売り注文を出したと言っていますが、要は市場にその会社の株があふれる→買ってもらうために値段を安くするというのが、株価が下がった理由です。
市場に一気に特定の会社の株があふれるので、他の投資家たちも「この会社は何かがあったに違いない」と判断し、これ以上の損失が出る前に次々株を手放したがために暴落になったのだと思われます。
これから新たな株を発行しても思うような資金調達はできませんし、発行しすぎればさらに株価が下がります。
また、会社の株価というのは、会社の価値そのものとも言えます。
もうその会社の事業内容は古い、あるいはその会社は信用できないとなれば誰も投資しなくなり、株価がさがります。
価値のない会社には人材もカネも集まりませんから、将来にわたって財政面に影響が出てしまう可能性も十分にあります。
つまり、今回の大暴落は財団にとって長期的かつ大きな打撃だったといえます。
GOOSEとは?
出典:BANANA FISH/9月14日放送/フジテレビ
こちらの話は正直複雑でして、私自身も理解が追いつかない点も多いのですが、なんとか解説していきたいと思います。
まず、タックス・ヘイブンとは法人税や所得税などの税率がゼロか極めて低い地域や国を指します。
香港の他、シンガポールやカリブ海のケイマン諸島などが知られています。
(アニメの地図も大体そのあたりの地域になっていましたね)
国を跨いで世界に事業を拡げている会社の中には、本社のある国と実際に事業所がある国と両方に税を納める、二重納税を避けるためにこれらの国を利用することもあります。
ディノの場合は、アメリカの会社で得た所得の一部をGOOSEのある国々へ所得としてうつし、所得税などの軽減をはかっていたのですが、この所得としてプールしていた資金=9000万ドルをそっくりそのままアッシュはドロボウしたということでしょう。
ここ最近は1ドル110円ぐらいですので、ざっくり計算しても100億円近くの損失をだしたことになります。
また、タックス・ヘイブンの国々は、投資家からすればその匿名性も魅力の一つです。
真実のオーナー情報ではなく第三者の名義で口座開設や会社の設立も可能です。
これらの国々の銀行は秘密主義でもありますから、どこの口座に送金されたか明かしてはくれない場合も多くあるようですので、アッシュは足がつかない形でディノから裏金をいただいたということになります。
現在、そして将来にわたり財団に大きな損害を与えたディノは、トップとはいえ、釈明せざるを得なくなったというわけです。
なぜアッシュは再び戦うことができたのか
アッシュという少年の本質を考える際に、ふと頭に浮かぶのが、「心の安心安全基地(セキュアベース)」という言葉です。
元々はボウルビィの愛着理論から生まれた言葉で、愛着とは特定の人物との結びつきを指します。
乳幼児にとって、特定の人物は母親や父親である場合が多く、彼らが不安や恐怖から自分を守ってくれ、感情に応えてくれることで愛着は形成されていくと言います。
そしてこの危機から守ってくれ、自分を受け入れてくれる場所(人物との関係)を心の安心安全基地と呼んでいます。
例えば小さな子どもが公園で母親と遊んでいたとします。
その子どもが少しだけ離れた場所に犬を見つけて近づいていきましたが、突然吠えられて急いで母親のもとに戻りました。
この光景を愛着理論で見ていくと、吠えられて戻っていくというのは、もちろん母親が安全を保障し、安心を与えてくれる存在として機能しているからだと考えられます。
また、そもそも母親から離れて冒険できたのも、何かがあっても母親がいるという、心の安心安全基地があるからこそ行われた行動だといえるでしょう。
つまり外の世界に飛び出す、新たな挑戦をするためには心の安心安全基地が必要になるのです。
11話を見ていると、英二がアッシュの心の安心安全基地として機能しているのだと、個人的には考えてしまいます。
心の安心安全基地、愛着理論についてわかりやすく解説してあります。
ストーリー序盤で「コルシカ・マフィアの動きは俺が抑える」と宣言したアッシュですが、ショーターを失った悲しみの中、実際に行動に移せたのは、あの夜英二がアッシュの傷を受け入れてくれたからではないかと考えています。
BANANA FISH(アニメ)11話の感想
今回もまたアッシュと英二の絆が深まった回でしたね。
戦いが終わってつかの間の休息を共有する中で、アッシュのいろいろな側面が英二にも見えてきた様子でした。
原作からのファンの中でいろいろな考察が飛び交ったこちらのシーン。
出典:BANANA FISH/9月14日放送/フジテレビ
原作では「そばにいてくれ ずっとなんていわない――今だけでいい」というアッシュに、英二は「ずっとだ」と答えていますが、アニメではこの「ずっとだ」がカットされていました。
個人的には、ずっとという未来の約束ではなく、自分の大切な人が、自分を大切に思ってくれている今がアッシュにとって重要なのだと、制作陣が考えた結果かなと思っていました。
しかしその後Twitterでお見掛けした、「OPで英二がずっとだって言っている」(♪答えを見つけたいんじゃなくて~の辺り)→「ずっとだ、はアッシュだけのものなんだ!」という考察の方が私の好みです。
これ考えた人、天才ですよね。
アッシュにとってあの一瞬は、ずっと自分の心の中だけにしまっておきたいほど大切な時間だったのですから。
ここ最近は毎週泣かされていますので、来週こそは涙流すことなくBANANA FISHを視聴したいと思います。
ところで、最近は季節の変わり目ということで体調を崩される人が多いようです。
私自身も風邪をひいてしまい、記事を上げるのが遅くなってしまいましたこと、お詫び申し上げます。
みなさまもどうか、お体ご自愛下さいませ。
コメント