助けようとしている者が自分を拒絶する、さてどうするか?
んなことよりメシ食って寝ろ。柴犬侍です。
世界観の紹介や主要人物たちの動機づけが大体終わり、ようやっと物語が本格始動する『ノー・ガンズ・ライフ』。
ノー・ガンズ・ライフ3話は、ようやっと本体がお目覚めの鉄朗が「覚悟」を見せられるかという試練の序章。
ここまで少しは考えて動いてるのかと思っていましたが、起きるなりハルモニエで十三の身体を乗っ取るわ、早々に借り物の身体を傷モノにするわで、どうやら鉄朗というガキはかなり少年漫画的な性格をしていることがわかりました。
向こう見ずながら運には恵まれているようで、一念発起して街へ繰り出したら早速お目当ての施設の被験体・エンデとアンと遭遇するというラッキーボーイ。
しかし、残念なことに彼女たちは、当の鉄朗少年を追うためにベリューレンが差し向けた刺客だったとさ。つづく。
拡張者率9割とかいう移民地区「キュウセイクツ」や、そこをシマにしてる「キュウセイカイ」についてもまだよくわかってないけど、スルーもできなくなってきたようなのでちょっと書きます。
子供の拡張者が襲われる事件
ノー・ガンズ・ライフ3話で十三を訪ねてきた、「キュウセイカイ」の幹部・モーガン大佐もといホアン。
彼曰く近頃「キュウセイクツ」では、子供の拡張者ばかりが襲撃される事件が多発している。
いずれも命に別条はないものの、拡張部位の手足をもぎ取られ、持ち去られた手足は人目のつく場所に、みせしめのように吊り下げられているという。
2話で名前だけ出てきた反拡張主義団体スピッツベルゲンの仕業だとホアンは考えているが、十三とメアリーはベリューレンからのメッセージと確信。
拡張者による犯行に違いないから、というのがその理由だそうだ。
出典:ノー・ガンズ・ライフ/10月25日放送/TBS
と2人はいうけど、そうか? 筆者もスピッツベルゲンの仕業だと思った。
手足もぎとるくらい、適当な工具があれば
「拡張部位をもぎとる」というのがメチャクチャ難しいとしても、実際に非
ホアンが持ってきた写真を見ても、手足は肩や股関節からキレイにもぎとられているようなので、充分ありうる線だろう。
なのになぜ、十三とメアリーは2人して「
何か見落としがあるかと思ったけど、特にそれらしい描写は見当たらず。
2人にしかわからない、そう確信できる根拠があるのかな。
被験体・エンデとアン
世界一有名なネズミみたいな頭の
ノーガンズ3話におけるキーパーソン。いやキーピーポー。
少女2人はどちらも
要するにまあ、1つ上の見出し「子供の拡張者が襲われる事件」で話した事件の犯人である。
話を聞くかぎり、鉄朗の誘き出しと引き換えに人間の体に戻してやると言われ、この地区で動きづらいベリューレンの代わりに施設から派遣されてきたらしい。ひどいマッチポンプ。
出典:ノー・ガンズ・ライフ/10月25日放送/TBS
拡張体の補助脳に干渉し、外部から強制的にリモート・コントロールできる機能なんてものを開発できるのだ。
拡張体の補助脳に認識されなくなるステルス能力だって作れるだろうということだが、初登場でいきなり
それと見たところ、どこにその図体を収納してるのか気になって仕方ないクモちゃんことエンデだけが拡張体のようだが、アンもか?
金髪デブの言っていた「エンデの制御装置の役割」が比喩でもなくまんまの意味だったら、来週あたりえげつないことになりそうなんだけど。
「キュウセイクツ」について
2話から結構な頻度で出てきているこのワード。
どんな字を書くのか知っている方は、コメントしていただきたい。
FODプレミアムで見ている皆さまは知っていますよね?
似たものとして「キュウセイカイ」という用語もあり、こっちはてっきり「旧世界」かと思ったが、どうも聞き間違いだったようだし。旧制窟? 旧制会?
混迷を極めるが、3話ではその「キュウセイカイ」の幹部・ホアンが訪ねてきたりと、いい加減ややこしいので、頭の整理をかねて情報をまとめてみる。
出典:ノー・ガンズ・ライフ/10月25日放送/TBS
3話現在まででわかっているのは「キュウセイクツ」が地名で、「キュウセイカイ」はそこを事実上の縄張り(シマ)にしている反社会的勢力だということ。
「組の者」という単語も出てきたし、まあそういうことだ。
「キュウセイクツ」というのが、ベリューレン本社のあるスラム街とは別の場所のことなのか、そこはまだわからない。
「キュウセイクツ」は住人の多くが移民で構成されており、
何らかの事情からベリューレンであろうとうかつには手を出せない厄介な地区だというが、この事情としてはやはり、この一件を公にしたくないってことが第一に考えられる。
シスター・カレンにしたって、わざわざシスターに扮し、身分を隠しながら鉄朗を追跡していたわけだし(修道服の下には社章丸出しだったけど)。
ベリューレンが「キュウセイカイ」とグルなら、何が起きても共同で隠蔽すれば済む話ので、しないってことはつまり関係が良好ではないということ。
だから目立たないよう、「隠密能力」を持たせたエンデとアンの2人を鉄朗捜索に差し向けた。そんなとこだろう。
今後もこの地区特有のしがらみとか色々出てきそうだし、できればどういう字を書くのか知りたい。アニメ本編で教えてくれなかったら調べます。
どうでもいいが、十三相手にメンチ切るとどっちが脅してんのかこれもうわかんねえな。
鉄朗のパーソナリティ
ノー・ガンズ・ライフも3話に入って、ようやく鉄朗のパーソナリティに触れるタイミングがやってきた。
十三と並ぶもう1人の主人公なので満を持してという感じだけども、今回の3話にて、鉄朗は結構「危ないヤツ」だと判断する理由が2つできました。
出典:ノー・ガンズ・ライフ/10月25日放送/TBS
1つは、十三への依頼料代わりにハルモニエを提示したこと。
同じ境遇の子供達を見捨てて逃げてきたことに後ろめたさを感じる気持ちはわかるが、依頼料代わりにハルモニエってのはどう考えたってダメだろう。
ハルモニエは鉄朗が追われる理由の1つであり、こんなものが裏社会に出回ろうものなら社会全体の危険分子になりかねないのだから、用済みになったら確実に処分すべきだ。
もう1つは、私情を優先して十三の身体を乗っ取ったこと。
十三は命がけで鉄朗を窮地から救い出し、あろうことかそのボロボロの身体へ義手義足に人工声帯までつけてもらった、まごうことなき命の恩人。
彼へのハルモニエの発動は鉄朗が、恩人の意志に反するとしても自己の目的のためなら利用するという思考の持ち主であるということの証左になる。
出典:ノー・ガンズ・ライフ/10月25日放送/TBS
鉄朗の行動原理はひとえに、子供達を見捨てたことへの「罪悪感」にある。
それさえ払拭できれば、ハルモニエを売ろうが他人の身体を強引に乗っ取ろうが、特別気にすることではないという考えを持っている。
そもそも「罪悪感の払拭」ということ自体、かなり自分勝手な理由だ。
施設の子供達とどういう関係なのかは知らないが、子供達を助けたところで諸悪の根源であるベリューレンはぴんぴんしている。
やるなら子供達の救出というより、ベリューレンの打倒だろう。
やり方は告発でも解体でも、上層部の失脚でもいい。
根っこを絶たないとまた同じことが繰り返されるだけなので、鉄朗のやろうとしていることに大局的意義を感じられない。
要は「自己満足」のために子供達を助けようとしているわけで、大義のためなら多少の過失はやむをえないというのは、かなりマキャヴェリズム的な思考回路といえるだろう。
マキャヴェリズム
目的のためには手段を選ばず,また反道徳的な行為でも結果がよければ正当化されるとする権謀術数をさす。
参照:コトバンク
以上から鉄朗は現状、「危ないヤツ」と結論づけられるわけである。
鉄朗のこうした性格は、彼の特異な生い立ちに関係があるのか、それともただの青二才か。それはこれからの展開次第ではある。
どちらにせよ倫理観に乏しく向こう見ずな、青臭いガキには違いないのだけども。
ただ感情に流されてるだけの子供の言うことに耳を傾け、それとなく
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十三は今後どうするか
うっかり鉄朗に身体を乗っ取られてしまった十三。
いつまでも乗っ取られたままではいられないが、さて彼は今後どうするだろうか?
鉄朗救出という依頼が果たされた今、十三にとっての一番の関心事は報酬かそれとも。いや、鉄朗に決まってんじゃん乗っ取られてんだぜ?
問題の焦点は、十三が鉄朗の考えに同調しているのかどうかってところかな。
ホアンとのやりとりを見る限り、基本的に十三は依頼を引き受けるときに「理由」を聞くようだが、ここで諸君には、十三は1話で鉄朗からの依頼を理由も聞かずに引き受けているという事実を思い出してほしい。
1話で鉄朗と初めて会ったとき、彼を助けた理由は曰く「警備局が嫌い」および「昔同じようなことを言ってた奴がいた」の2つ。
この2つ目に注目。あのとき十三は、鉄朗の「僕は道具じゃない」という言葉に明らかに反応した。
十三にはことあるごとに「かつての相棒」のことを思い出す素振りが見られるが、その相棒への敬意のほどは、「相棒」という言葉に強く反応することや、引き金を相棒以外の誰にも触らせないことからも垣間見える。そこでさらに、鉄朗へのご執心とくる。
こうしたことから十三には、元相棒へ敬意を払うあまり、似たことをする人を放っておけないきらいがあるように思う。
鉄朗の「覚悟」を見ていた
十三は、鉄朗に力を貸してもいいと思っている。
だが、まずはその「覚悟のほど」が知りたい。
いくら鉄朗が相棒と似てるとはいえ、それだけでは命を張れないから、というのが妥当なところだ。
だからメアリー宅で、鉄朗をたきつけるように「自分の命も張らずに語る正義は絵空事」という言葉を吐いた。
出典:ノー・ガンズ・ライフ/10月25日放送/TBS
要するに十三は、鉄朗に対していわば「昔の相棒にどれだけ似ているかテスト」を行なっていて、その一致度が高いなら協力するという腹積もりだったんじゃないかと考えられる。
とはいえ、どれだけ相棒との一致度が高かろうと、非力で向こう見ずな鉄朗を前に出させるわけにはいかない。
だから十三は、鉄朗の決意表明には心打たれたかもしれないが、「理不尽でも我慢しろ」と現実を語った。
ハルモニエ発動で予定が狂ったが、あるいはあえて憎まれ口を叩いて鉄朗をメアリー宅に置いておき、あとは自分だけでなんとかする気でいたのかもしれない。
でなければ、わざわざ「お前の言ってることは正論だと思うぜ」なんてフォローを入れるか?
この発言は、十三が鉄のように冷たい仕事一本の冷血漢などではなく、その身体にしっかり人間の血が流れているということの証左だろう。
「どれだけ似ているかテスト」をやったら回答まで似ていて驚いた、ということもあるに違いない。
そこへ、きかん坊とわかった鉄朗の「命を張った正義」が飛び込んでくれば、これはもう彼の「絵空事」に協力するしかないだろう。
バディ誕生の瞬間は近そうだ。
ノー・ガンズ・ライフ3話の感想
スヤスヤだった鉄朗少年がはりきり始めたノー・ガンズ・ライフ3話。
米袋で顔を隠し、本体を運ぶためにどこぞの鬼狩りみたく籠を背負いながら出歩くさまはなかなかシュールだった。
鉄朗の動機や素性についてもまだ謎が多いが、まあそのへんは十三と仲良くなってからだろう。
メアリーがいい子だし、険悪になっても彼女が仲裁してくれそうではある。
出典:ノー・ガンズ・ライフ/10月25日放送/TBS
そして、鉄朗が出会った被験体の少女・エンデ。
エネルギー保存の法則に正面から喧嘩を売ってるところがチャームポイント。
発想が第三帝国的というかなんというか、まさにマッド・サイエンティストの仕事って感じ。作ったやつの顔が見たい。
さて、件の施設から子供達を救い出すことが目的の鉄朗にとっては、まず目の前にいるエンデとアンの2人を救えるかどうかが当面の課題。
が、彼女たちは鉄朗を拒絶しているし、エンデの方はどう見たって拡張部分が全身に及んでいる
よしんばメアリーのもとへ連れていけたとしても、元の姿に戻せる保証はないし、大体こんな問題だらけの不穏分子、身体のどっかに発信機か自爆装置がセットされてると考えた方がいい。
その上あの金髪デブによれば、アンはエンデの制御装置の役割だという。これ暴走フラグでしょ。
考えれば考えるほど嫌な予感しかしない。ライダーたすけて!
次回4話が猫も杓子もにっこり大団円で終わるには、十三と「相乗り」した鉄朗の正義が、しっかり悪党どもを裁けるかどうかにかかっている。鉄朗テメー気張れよな!
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