ひぐらしのなく頃に業のコメントで、沙都子のループに関するものをいただいたので、ジャム君なりに「沙都子ループ説」について考察していきたいと思います。
この考察の前提条件となるのは、以下の情報です。
- 鬼騙し編1話から猫騙し編3話までに判明している情報がベース
- 従来のひぐらしシリーズの発想や事実も引き継ぎ可能
- 従来のひぐらしシリーズとひぐらしのなく頃に業ではまったく性質が異なる可能性がある
- 沙都子がループしているか否かを考察するため、ほかの本編考察記事とは別筋の考察
- ひぐらしシリーズのアニメだけでなく、ゲームなどからの考察も可能
- 上記の各種例はあくまでも意味合いの例示のため、考察と矛盾することもある
例:雛見沢症候群を人為的に引き起こさせるH173という薬がある
例:鷹野が黒幕ではない
例:(この記事)ループした沙都子が黒幕。(本編考察記事)沙都子はループしていないので、鷹野が黒幕
例:H173-2はH173の改良版で、空中散布で利用できる
これらを沙都子がループしているか・していないかの前提条件としまして、早速沙都子ループ説に迫ってみましょう。
沙都子が世界をループしている説
まずは、ひぐらしのなく頃に業で沙都子が世界をループしている説から、考察を進めましょう。
コメントもいただいたことですし、ほかの考察サイトでも、よく見られる意見なのではないでしょうか。
沙都子がかくれんぼ中に壊した御神体が壊れていない
ひぐらしのなく頃に業14話に出てきた「神剣・鬼狩柳桜」ですが、羽入が「隠してある」と言っていた御神体と比較すると、「祟殺し編 其の伍 謝罪」で幼い沙都子が梨花たちとのかくれんぼ中に壊してしまった御神体が壊れていません。
出典:ひぐらしのなく頃に 業/1月8日放送/TOKYO MX
ひぐらしのなく頃に業14話で梨花が鬼狩柳桜をカケラしか発見できなかった御神体の全体像と、祟殺し編で沙都子が壊していた御神体を見てみると、不自然な点があるでしょう。
ひぐらしのなく頃に業に出てきている御神体は、顔こそ簡単に割れて取れるようになっていますが、御神体の右手が破損していません。
御神体の右手ですので、我々から見て左側の手です。
祟殺し編に出てきた沙都子は、オヤシロさまの御神体の右手を壊してしまったにもかかわらず、梨花にも梨花が怒られているのに梨花の親にも話さず隠れていた卑怯者のクズだったため、沙都子が雛見沢大災害が起こるまでに直している可能性はゼロです。
子どもの力で簡単に持ち上がるようなものでもないでしょうし、持ち上がったとしても、きれいに直せる技術を沙都子が持ち合わせていないでしょう。
たとえ大人の力を借りたとしても、よほどうまく修理しないと、修復跡が残ってしまいます。
ただ、幼いころの話ですので、梨花の両親やほかの御三家当主たちが中心となって御神体の修繕費用を出し、たった数年できれいにした可能性は残されています。
もし沙都子が世界をループしているのであれば、梨花のように昭和58年6月を中心にループしているのではなく、もっと昔からループをしている可能性が浮上すると考えられる現象です。
鬼狩柳桜が消えた
ひぐらしのなく頃に業14話で羽入が梨花に伝えてくれた「神剣・鬼狩柳桜」ですが、梨花が立像の頭を取ってみても、中に鬼狩柳桜は入っていませんでした。
出典:ひぐらしのなく頃に 業/1月8日放送/TOKYO MX
鬼狩柳桜のカケラらしきものは拾うことができましたが、肝心の剣の姿でオヤシロさまの御神体の中に隠されておらず、羽入の話と違って忽然と姿を消したことになります。
鬼狩柳桜は「死が新たな世界の始まりでしかない繰り返す者を、殺すことができる剣」ですので、梨花以外の者にとっては、無用の長物とも言えるものです。
神剣・鬼狩柳桜。
死が新たな世界の始まりでしかない繰り返す者を、殺すことができる剣です
それに、鬼狩柳桜を忌みなるものとして梨花に使ってほしくはなかったとしても、羽入が梨花に残す言葉として、あえて嘘を伝えるとは考えにくいです。
少なくとも、鬼狩柳桜のカケラらしきものは落ちていましたので、羽入の話がまったくのデタラメとも考えにくいでしょう。
そうすると、祭具殿の中の、しかもオヤシロさまの御神体の中に隠されていたはずの鬼狩柳桜を欲しがるのは、梨花と同じようにループをしている人間もしくは、鷹野のように知的好奇心でついお持ち帰りしてしまった人間くらいになってきます。
ですが、ひぐらし業14話で梨花が鬼狩柳桜を探していたのは、いつも鷹野が祭具殿に侵入する綿流しの夜よりも前の昭和58年6月12日のことですので、鷹野が鬼狩柳桜を盗んだ犯人という説は薄まりました。
そこで考えられるのが、言動が梨花と同じように世界をループしているかのような沙都子です。
沙都子であれば、以前のかくれんぼのときのように、祭具殿に侵入することもできるでしょうし、梨花が鍵をかけていても、鍵をこっそり持ち出すのは、ほかのメンバーよりも容易にできることでしょう。
だって、沙都子が叔父夫婦を崖から突き落とし悟史が失踪してからは同じ家に住んでおり、梨花が掃除をするたびにでも、鍵のありかを見る機会はあったわけですからね。
沙都子が世界をループしているのであれば、梨花と同じように自分に鬼狩柳桜を使う価値があるだけでなく、梨花に鬼狩柳桜を使わせない(逃さない)という、うみねこのなく頃にのラムダデルタ風な意地悪で、繰り返す世界に縫い止めているのかもしれません。
逃しませんわよ、梨花!
オヤシロさまからお告げを受けた沙都子
ひぐらしのなく頃に業16話では、梨花を綿流しする沙都子が、オヤシロさまからお告げを受けたと言っていました。
\そうお告げをくださいましたの/
参照:ひぐらしのなく頃に 業/1月22日放送/TOKYO MX
オヤシロさまは私に巫女を代わるようにと、そうお告げをくださいましたの
そもそも「オヤシロさま」と呼ばれる存在は羽入であり、ひぐらし業16話時点では羽入が少なくとも梨花の前にはいませんので、猫騙し編で沙都子がオヤシロさまからお告げを受けるということがあり得ないようにも思えます。
しかし、条件を満たすことにより、猫騙し編にいる沙都子も、羽入からお告げを受けることは可能だと推測します。
羽入が梨花の前から消えて沙都子の前に現れた場合
羽入は、ひぐらしのなく頃に業14話で梨花の前に再び現れたと思ったら、梨花の前から姿を消してしまいました。
出典:ひぐらしのなく頃に 業/1月8日放送/TOKYO MX
さようなら、梨花
「さようなら、梨花」と言って姿を消した羽入は、どこへ行ってしまったのでしょう。
仮に行き先が、沙都子の前だったらどうでしょうか。
沙都子にあらゆる知識を詰め込み、世界を繰り返させるループする力を与え、鬼狩柳桜のありかも教えていたとすれば、羽入が沙都子の言うとおり「巫女を代わるように」と言わなくても、オヤシロさまから力を与えられた沙都子が、梨花と巫女を代わるようにオヤシロさまから言われたと、勘違いしてもおかしくありません。
羽入が梨花の前から消え、どこに行ってしまったのかが、考察のキーポイントになることでしょう。
5年後の沙都子がループする力を得た場合
沙都子は梨花が抱いていた、聖ルチーア学園に進学する夢のことを、おぼろげながら知っていました。
参照:ひぐらしのなく頃に 業/1月22日放送/TOKYO MX
あえて、雛見沢分校を選ぶのではなく、田舎臭い雛見沢を捨てて早く出たいという気持ちが後押ししているだけで、将来的な進学率や就職率を考えてのことではありません。
これこそ、古手梨花が持っている「業」というわけです。
ふだんから一緒に暮らしていて、その言動から「たまたま気がついた」可能性も無きにしもあらずなのですが、「雛見沢から早く出ていきたい」なんて言葉を相手が沙都子であろうと梨花が口にするとは思えず、沙都子の勘の鋭さか、特殊な能力で知ったと考えるのが自然でしょう。
勘が鋭く気取られてしまったのであればどうしようもありませんが、梨花が夢を抱いていたとおり、5年後の雛見沢で梨花が聖ルチーア学園に進学しようとしたならば、沙都子は梨花は雛見沢を捨てたと思うでしょうし、梨花に対する不満が爆発するのもうなずけます。
そんな状態の沙都子の前に、羽入もしくは羽入に準じる誰かが、沙都子に世界をループさせる力を与えたならば、ひぐらし業16話で起こった惨劇で知った口だった沙都子の言葉も、驚くことはありません。
5年後までのことを知っている沙都子が、「オヤシロさまからお告げを受けた」と解釈し、世界をループして過ごしていても、何ら不思議はないことになります。
沙都子が世界をループしていない説
お次に、ひぐらしのなく頃に業で沙都子が世界をループしていない説を考察してみましょう。
意外や意外、ループしている説が多く、ループしていない説の考察が少ないのではないでしょうか。
沙都子がかくれんぼ中に壊した御神体ではない
沙都子がループしている説でも触れた御神体ですが、この御神体は沙都子がかくれんぼ中に壊した御神体とは別物です。
その理由は至極簡単で、沙都子が壊した御神体は、右手を挙げて左手を差し出している姿でした。
参照:ひぐらしのなく頃に 業/1月22日放送/TOKYO MX
鷹野たちが祭具殿に侵入した綿騙し編や、梨花が猫騙し編で体験しているようなひぐらしのなく頃に業の世界とは、真逆の姿をしています。
出典:ひぐらしのなく頃に 業/2020年11月12日放送/TOKYO MX
いかに世界をループしようとも、祭具殿の中にあるオヤシロさまの御神体という、雛見沢でもごく限られた人物しか拝むことができない立像を模倣して、しかもその事態を梨花に気取らせないなんてことは、到底不可能でしょう。
この左右が反転したオヤシロさまの御神体があり、梨花が左右が反転してしまっていることを気にもとめていないということは、ひぐらしのなく頃に業の世界ではもともと左右が反転している立像があるべきで、沙都子に壊された過去もないことを示唆していると考えられます。
沙都子がこの立像を壊したことがないのであれば、わざわざ世界をループして立像を直す必要もなければ模造品に入れ替える必要もなく、また鬼狩柳桜を盗み出す意味もありません。
C120を注射している
ひぐらしのなく頃に業16話で、沙都子はC120を監督の指示どおり、毎日自分で注射していることがわかっています。
お注射しているんですもの
\慣れていますわ/
参照:ひぐらしのなく頃に 業/1月22日放送/TOKYO MX
監督の言いつけで毎日自分にお注射しているんですもの、慣れていますわ
この言葉のとおり、沙都子はC120を自分で注射しているため、雛見沢症候群のL5を発症せずに済んでいます。
C120は、雛見沢症候群をL5からL3まで抑制することができる薬のことです。沙都子は1日2回C120を注射することで、L3の発症で済んでいます。
C120を注射しているということは、監督(入江)から薬を受け取るために、長期間雛見沢を離れるわけにはいかないということです。
もちろん薬を運んできてもらったり、入江機関からの情報提供により別の場所でもC120が製造できるようになっていれば話は別ですが、沙都子もまた梨花が鷹野の女王感染者としての仮説で言われているのと同じように、雛見沢を離れるわけにはいかない人物ということになります。
以前から、厄醒し編でも1日2回の注射を好き好んでやっている素振りではありませんでしたし、ループするということは、ループしただけ闘病生活も長引くということです。
沙都子にとって、鉄平が帰ってくるかもしれず、闘病生活も長引く世界のループに、価値などあるでしょうか。
少なくとも沙都子は、自ら望んで世界をループしているわけではないと考えられます。
沙都子以外がループしている可能性
スマホゲームのひぐらしのなく頃に命にも新キャラが出てくるとおり、未だ姿は見せていないだけで世界をループしており、梨花を邪魔に思っている、沙都子以外の誰かがいるのではないでしょうか。
ひぐらしのなく頃に命は、雛見沢大災害が起こったあとの平成5年6月の世界から、自らを神と名乗る「田村媛命」に出会い、昭和58年6月の雛見沢に戻ってきます。
公由喜一郎の孫娘の「公由一穂」や、赤坂衛の娘の「赤坂美雪」など、ひぐらしシリーズファン垂涎のキャラクターから、まったく新しい「鳳谷菜央」といったキャラクターまで、新キャラはさまざま。
赤坂美雪は、一応赤坂が雪絵を失った世界で一人娘として、小学校の入学式の写真を大石に紹介していましたけどね。
こんなキャラクターたちのように、外部からの介入があれば、なにも沙都子がループなどしていなくとも、未来を知っている誰かが、今の雛見沢を変えようと暗躍しているのかもしれません。
なにも、毎回同じ人物が未来から来て今の雛見沢を変えようとループする必要はなく、必要に応じた世界の住人の誰かがループしてきてしまえば、今の惨劇を引き起こす準備は整います。
また、未来から来ているのであればなおさら、H173-2のような空中散布型のH173の改良版といった存在が開発されていても不思議はなく、ひぐらしのなく頃に業15話で4人が急変したのも、H173-2や改良されたH173-2を持ってきた未来人なのかもしれません。
結局沙都子はループしているのかしていないのか
ジャム君としては、あくまでも現状、この記事を執筆している時点での考察となりますが、沙都子は世界をループしていないと思います。
一番怪しい存在なのが、沙都子が壊してしまったにもかかわらず復元されている上に、左右が反転してしまっている、沙都子が壊したのとは違うオヤシロさまの御神体ですね。
ひぐらし業になってからの、単なる作画ミスだったら目も当てられない部分ではあるのですが、左右反転しているのになんの反応も示さない梨花に違和感を覚えてしまいます。
これをあなたが読んだなら、ひぐらしのなく頃に業を最初から最後まで見ましょう。
これを読んだあなた、どうかループの真相を暴いて下さい。
それだけが私の望みです。
お、俺のメモがぁ!
コメント
案外、オヤシロ様の立像(柳桜入り)を壊して鬼狩柳桜に触れたせいで中途半端に欠片の記憶が沙都子に入ったとか?
完全なループはしないけど断片的に欠片を読んでしまって梨花が雛見沢を離れたがってるのを知った?
沙都子の黒幕説はミスリードだけど、ループはしてるって具合が竜騎士先生らしい匂いがする(完全妄想)
それでもやっぱり今までの梨花の反応で違和感があるんだよなぁ
あくまで祭囃し編クリア済みのはずなのに初めてみたいなリアクションがなんか気になる
うみねこの番宣とまではいかないまでもこのままバッドエンドつづきだとベルンカステルルート行きそうで怖いな
昔のアニメ本編後オリジナルで大人の古手梨花(中身ベルンカステル)が出てきてたけどそれか?
(ひょっとして鷹野が奇跡の前借りで事故を起こさなかった世界線の可能性も?)
時々赤い目になってるのもうみねこっぽさがあるんだよなー
(うみねこでは想像のキャラクターや魔女側は赤目)
そろそろ解答編はじめないと「あれは何だったの?」で終わりそうなのが怖い
鬼狩柳桜のような何らかのキーアイテムに触れることで、ループせずとも中途半端に記憶のカケラが入り込んだ可能性はありますね。
沙都子だけじゃなく、梨花も赤目になりますし、うみねこのなく頃にの魔女の駒として動かされているのかもしれません。
特に猫騙し編だと介入があったのか、良い方向へ良い方向へと運命のサイコロが勝手に振られている感覚のようですので、魔女たちが引っ張り出してきた暇つぶしのゲーム盤を見てきている可能性もありますね。
OPにはフェザリーヌっぽい影も見えていますので、どストレートにそれがヒントだったのかも?
いやあ~完全に裏の裏を行かれてしまいました。今作の仕掛け、熱の入り方を感じます!
17話でコメントしようと思いましたが……。のっけから『皆殺し編(かな?)』の鷹野……からの……まさかの陰謀劇からの降板?……しかも何故か、鷹野には前世で行った残虐非道な行いの記憶がある……(ついでに富竹まで記憶ありそう)梨花に話したかった事とは、自分の前世で犯した罪(業ですね)の告白……。こう来るとループして居るであろう黒幕はほかに居る。
そして梨花と手をつないだサトコの『もう、どこにも行こうとしないで欲しい』と言うセリフ……この時のサトコの怪しげな雰囲気も気になりましたが、このセリフは梨花がひなみざわを離れることを知っていると言うことですよね。一気に消した筈の疑惑が再浮上……そして最後のびっくり箱のくだりですよ。
これまでのサトコの怪しげな描写は、ミスリードを誘う為じゃなく、そのまま伏線だったのでしょうか?
間違い無く17話を見る限りサトコループ説に傾きますよね~。
16話冒頭で首を掻いていたのは、思い返せばサトコはもともと感染していて、発症を薬で抑えているだけだったし、もしかするとあのサトコの言った事も今回の悲劇の一因かも知れません。
ラストでサトコがどこから銃を取り出したか解りませんが、サトコには鬼狩柳桜を盗み出す事も可能ですし、入江機関から薬を持ち出すことも可能だったかも知れません。
まだまだ目が離せない、ひぐらし……業です
17話の記事は…いま書いております(笑)
いましばらくお待ちを!
沙都子は至るところで「黒」を臭わせる描写が前々からなされているので、逆に「白」だと思いますね。
完全に「白」ではなく、一部の記憶を引き継いだ「グレー」かもしれませんが、鷹野があからさまに「白」と描かれるのに対し沙都子があからさまに「黒」を臭わせることに不自然さを感じます。
これがひぐらしのなく頃にシリーズでなく、単なる推理ものだったりするのならば素直に受け入れるのですが、ひぐらしですからねー……
雲雀13なんていう、うみねこだと天草十三そっくりなキャラもひぐらしのなく頃に業17話でチラッと登場していましたし、原作者が同じというのもありますが、もともとひぐらしとうみねこの世界が全然違うようで近い存在、なのかもしれませんね。