みなさまこんにちは。ニル・アドミラリの天秤を担当いたしますnk(エヌケー)と申します。
美青年ならぬ、美声年を愛する身として、声優陣が豪華な本作品を担当できてうれしく思います。
原作ゲームは未プレイですが、薄桜鬼などを生み出したオトメイトさんの作品ですので、ストーリーも期待しております。
さて、今回は第1話ということで、主人公・ツグミが帝国図書資産管理局(通称・フクロウ)に入るきっかけが描かれていました。
いくつかの用語の解説と、
ニル・アドミラリの天秤とは
2016年に「ニル・アドミラリの天秤 帝都幻惑奇譚」という名前で発売されたゲームで、略称は「ニルアド」。
昨年9月には続編にあたる「クロユリ炎陽譚」が発売されています。
物語は主人公・久世ツグミがフクロウに所属し、活動していく様子が描かれています。
アニメはゲーム第一弾・帝都幻惑奇譚のストーリーをなぞるものになりそうですね。
用語にちりばめられた謎
ニル・アドミラリとは
タイトルにもある「ニル・アドミラリ」
見慣れない言葉でしたので、少し調べてみました。
何事にも驚かないこと。また、そのさま。無感動。
引用:コトバンク
しかし天秤とは揺れ動くものです。
ニル・アドミラリと、何かがあれば簡単に動いてしまう天秤とは相対する語句のようにも思えます。
では、タイトルの「ニル・アドミラリの天秤」とはどういう意味なのでしょうか?
第1話を見た上で、「ツグミの強い信念」あるいは「運命の非情さ」という意味があるのではないかと推測します。
ツグミの強い信念
これはニル・アドミラリを何事にも驚かないととった場合の解釈になります。
驚くということは、未知に出会い心がざわつくということ。
まだ第1話ということもあり、まだ明かされてない部分がたくさんあります。
少しずつ明確になるたびにツグミは驚き、その心を揺らすことでしょう。
それがなくなることがニル・アドミラリであるとするのなら、「ツグミはこれから起こる出来事を通して多くのことを知り、その結果何にも左右されないような強い信念を手に入れる」ということをタイトルが暗示しているのではないでしょうか。
ツグミの心中に生まれたその意思はあまりに重いものであるため、それまで揺れ動いていた天秤(ツグミの心)が動かなくなる=何事にも動かされない天秤という意味のタイトルなのかもしれません。
運命の非情さ
明治文学、森鴎外や夏目漱石の作品にもニル・アドミラリという単語がでてきます。
それらは文脈から判断するに「何事にも動じない」という精神の強靭さというよりは、知りすぎたが故の「無感動」な様を示しているように思えます。
ニル・アドミラリを無感動ととらえた場合、「無感動に揺れ動く天秤」がタイトルの意味なのかもしれません。
これから(おそらく)運命に翻弄されるツグミ。
彼女が悲しみに暮れても、絶望しても、運命は未来や出来事の意味も知っているために、無感動にただ揺れ動くだけということなのかもしれません。
時代設定が、大正時代ということもあり、こちらの意味合いのほうが強いと考えられます。
アウラとは
出典:ニル・アドミラリの天秤/4月8日放送/TOKYO MX
アウラとはいわゆるオーラのこと。
ツグミは
なぜ作品中でオーラではなく、あえて「アウラ」と呼んでいるのでしょうか。
時代背景
ニルアドの世界では、物語の開始時は大正25年。
実際の歴史ではなく、ifの世界が舞台です。
しかし帝都大震災(大正12年の関東大震災)など、実際に起こった出来事も盛り込まれていることから、背景的にはそう相違ないのではと考えられます。
実際の歴史上の昭和10年(ニルアド中の大正25年)は、国際情勢的な事情で英語排斥論が高まっていた時代でもありました。
軍国主義が進む中で、第二次世界大戦の足音が聞こえていた時期ですので、国の機関であるフクロウもあえて「アウラ」というドイツ語を使用していたのかもしれません。
美術用語としてのアウラ
1930年代ドイツの思想家ベンヤミンによって提唱された概念が「アウラ」です。
彼自身の著書の中ではその定義は具体的に示されていないものの、コピーなどの複製技術が進歩していく中で、オリジナルが持つ一回性が失われるという旨の記述があります。
ニルアドの世界では稀モノは手書きの、主に和綴じの本に宿るとされています。
ストーリーから察するに、活版印刷などの複製本には筆者の情念は宿る現象は起きていない様子でした。
稀モノの霊的なエネルギーとしての意味の他、「オリジナルにしか備わっていない」ということを含ませるために「アウラ」と呼んでいるのではないでしょうか。
稀モノに関する謎
出典:ニル・アドミラリの天秤/4月8日放送/TOKYO MX
第1話はツグミの弟・ヒタキが
その後のツグミやじいやの反応から稀モノという単語は一般的ではないことがわかります。
しかし稀モノによる災厄は昔から起こっていたとのことですから、緘口令が敷かれていたものでもないのでしょう。
洋装本の時代になって減少していた稀モノによる事件がなぜ増えているのか、第1話で提唱された大きな謎の1つです。
ほとんど起こらなくなっていた現象が立て続けに起こっているということですから、人為的なものである可能性もあります。
何者かが稀モノを意図的に回収し、あるいは生み出して、広めていることもあり得るのではないでしょうか。
裏にいる人物の目的とは
何者かが意図的に事件を起こしているとして、その目的は何なのでしょうか?
注目すべきは「現首相の息子が稀モノに関する事件に巻き込まれた」という事実でしょう。
首相は世襲制ではないとはいえ、権力者の親類が狙われたということは、政治的な思惑があるのではと推測してしまいます。
フクロウもそう考えたからこそ、首相の息子とヒタキの事件を関連付けたのではないでしょうか。
ヒタキが稀モノを手に入れた経緯が明らかにされていませんが、街で買ったというのであれば、ヒタキと同じくらいの年齢のかなり身なりがいい男性をターゲットに無差別に販売されていたのかもしれません。
ただそうだとしても、稀モノの影響は個人差があるようですから(ゲーム公式サイト)、作戦としてはいささか確実性に欠ける気がします。
今のところは「政治的な目的をもった何者かによる犯行の可能性もある」と言える程度でしょう。
ニル・アドミラリの天秤(アニメ)1話の感想
第一話では主人公がフクロウに所属するまでの経緯が描かれていました。
「自分が変わらなきゃいけない気がする」という漠然とした理由でフクロウ入りを決めたツグミが最終回にはどんな気持ちでいるのでしょうか。
また乙女ゲーム原作のアニメでもありますから、男性陣がどんな魅力を持っているのか気になるところであります。
稀モノにまつわる謎、主人公の変化、キャラクターの魅力、と見どころがたくさんあり、毎週楽しみな作品になりそうです。
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