はじめまして、キノの旅の担当になりましたsumi_misakiです。
「キノの旅 -the Beautiful World- the Animated Series」9話
今回は、複数の国のお話からなる短編集。
出典:キノの旅/12月2日放送/TOKYO MX
まず始めに。アニメから入ったくちなので、原作は読んでいません。
個人的な感想や考察なので、ご了承ください。
物事は一面だけでは わからない
5つの国の話からなる、短編集の回でした。
出典:キノの旅/12月2日放送/TOKYO MX
出典:キノの旅/12月2日放送/TOKYO MX
◆①山賊たちの国
見た目だけでは、相手のことはわからない
◆②徳を積む国
ポイントだけでは、ひとのことはわからない
◆③料理の国
噂だけでは、本人かわからない
◆④ティーの願い
行動だけでは、本心はわからない
◆⑤美しい記憶の国
言葉だけでは、真実はわからない
ざっくりの感想(笑)では、どうすれば!?って感じですが、キノ9話を最後まで見たら
何か感じるものがあるかも!?
◆①『山賊たちの話』
「ワシらが狙うべきなのは自分より強い人間に迂闊に手を出すような人間
…ちょうどお主のようにな」
出典:キノの旅/12月2日放送/TOKYO MX
自分の実力を把握し相手の技量を見極めることができないと、相手のことを判断することはできない。
だからこそ、そこが狙い目だと。
経験則がないと、ものごとの判断は難しい。
長老が遠い昔に、キノの師匠たち一行と思われる車を襲った時の、苦い記憶がよぎっているのだろう。
人は失敗をして経験を積みながら見る目が養われていく。
見た目だけでは、相手のことはわからない、なお話。
◆②『徳を積む国』
素晴らしい行動をしたら徳ポイントが与えられる国のお話。
財力の違いや先入観の入らない公平なシステムだと国民は信じている。
出典:キノの旅/12月2日放送/TOKYO MX
≪もと大統領の悩み≫
国に多大に貢献し、ポイントを稼いだが、使い道がわからない
病で先が短いとわかっている人生で、どうにか使い切りたいと悩んでいる。
むしろ、意味なく人の命を奪っても、犯罪を帳消しにするためにここまで貯めてきた。
そんな元大統領は、旅人なら・・・と、目的を果たすためにキノに近づいてきたが
結果は、キノが油断せずに相手を観察していたことで身を守ることができた。
キノの方が一枚上手だった。
もと大統領「私のようには、なるなよ…」意味
「せっかく貯めたのに・・・」
「せっかく貯めたのに(2回目)」
「そんなもったいないことはできない。」
後悔している。ポイント稼ぎのために人生を過ごしてしまったことに。
そして、貯めることを達成はしたが、使えずにいる。人生の本来の目的は何だったのか。
人生に失敗した。
これに気がついたのは、病にかかり先が短いと知ってからだという、皮肉なお話。
この制度が生み出した、一人の人生の末路が見えたシーンであり、
人生は何を目的とし、目標とするかを見誤ってはいけない、という教訓とも言える。
出典:キノの旅/12月2日放送/TOKYO MX
国民から「いいことをしている」と、お墨付きをもらっていた元大統領が
実は小さいころから・・・のくだりは、ポイントだけでは人のことはわからない、と感じたお話。
◆③『料理の国』
料理人の間で噂されていた人物像にたまたま重なってしまったキノは、国民からどんな食材でも絶品料理にしてくれる“さすらいの料理人”と勘違いされる。
出典:キノの旅/12月2日放送/TOKYO MX
独特な味付け(激辛)にも関わらす、インパクトがあると受け入れられ、名物料理となった。
その後、さらなる旅人の味付けにもうひとつのマイルド版が出来て今では合わせて並べている。
おそらく、後からアレンジを加えた旅人は、
噂されていた“本物”であるだろうが、コートの色しか情報がない噂というのは、そもそも何が本物かどうか怪しい。
どんな食材でも絶品に、どこの国にも受け入れられる味を再現できるというのは、
その国々でたまたま訪れた旅人がちょうどよい味付けを生み出せた、ただの偶然という可能性もなくはない。
噂だけでは、本人かわからない、なお話。
◆④ティーの願い
出典:キノの旅/12月2日放送/TOKYO MX
“願いを書き込んで飾ると叶う”という言い伝えがある国に到着。
願いを書くことは、ティーにゆずり、シズはいつもどおり国民への聞き込みへ。
「なんて良い子だろう」ティーの願いをみて、国民には笑顔があふれる。
人々から離れたところで、ふと陸が尋ねる。
「あれはとても優しい願いで大変素晴らしいですが…どうしてあのような願いを?」
ティーの言葉の意味
「どうせこんなの役に立たないから」
出典:キノの旅/12月2日放送/TOKYO MX
これは、ティーの持っているとても現実的な価値観を反映しているように感じた。
この価値観は、アニメ4話で放送された、ティーの生い立ちに関係しているのだろうが、かといって暗い話ではなく、「願ってもかなってこなかった」現実をただただ受け入れている。
願いは思うだけではかなわないという、そう思わせるような、セリフだった。
叶わないと思っているのに、あえて書いた理由は、それでもどこかで願ってしまう、ティーの優しさを表しているようで、私は好きだった。
または、仲間扱いされてこなかったティーが覚えた、波風立てない行動なのかもしれない。
行動だけでは、本心はわからない、なお話。
◆⑤『美しい記憶の国』
門を入ったとたん、門を出ていることに気がついたキノ
どうなっているのか戸惑っていると、エルメスがヒントを出す。
左側の箱に入っていた“自分からの手紙”には
・出国時に滞在時の記憶を薬によって消すことを同意すること
・旅人には快適な滞在をして欲しいが国内の様子を「誰にも伝えて欲しくない」
・訪れるものを拒みはしないが、記憶はすべて消します
という、世にも恐ろしい真実が書いてあった。
エルメスの記憶が消されていないのは、人間ではないためその規定にはふれないという。
「誰にも伝えてほしくない」の意味
伝えてほしくない、という理由で行われているのなら、
しゃべることのできるモトラド(エルメス)は該当するのではないか?
また、絵なら伝えても良いと、いう例外がある。
出典:キノの旅/12月2日放送/TOKYO MX
つまり「人からの」「言葉で」伝えてほしくないという国だとわかる。
過去に何があったのだろう。人ならではの領地・権力争いでもあったのだろうか。
国民と約束したから、たとえ解体されても言わない、と口の堅いエルメス。
でも国民は、おそらく「人から人へ」伝わることを徹底的に防いでいるので、
逆に言えば「人以外」「言葉以外」なら伝えることを認めているとも言える。
それが正しく伝わるかは別の話だが、人の言葉から伝わるよりは良いということなのかもしれない。
言葉だけでは真実はわからない、なお話。
◆⑥アニメなあとがきの国
出典:キノの旅/12月2日放送/TOKYO MX
出典:キノの旅/12月2日放送/TOKYO MX
みんな 夢を諦めんな ドリームを諦めるな
重要だから二回言った!
・・・んん?
現実になることだってある みなさんが見ているものが
まさにその証拠なんです
ここまで読んでくださり、本当ありがとうございました。
これは、原作の小説版にある、作者のあとがきのようです。(ツイッター情報)
いきな計らいというか、こんな風に作者がアニメで登場人物にのせずに
作者自身の言葉で伝えてくるアニメは初めて見ました。
キノの旅9話の感想
経験は積んだほうがいい。だから、もっと旅をして世界を見て回ろう
という、いつもの旅の意味を振りかえるような短編集でした。
今回最初のお話『山賊たちの話』で登場した、長老のセリフを引用させてもらうと
出典:キノの旅/12月2日放送/TOKYO MX
「そう気を落とすな。まだまだお主は若い。これから色々と学べばいい」
物事は、キノの話にあるように、一面ではわからないことだらけで
それを補ってくれるのは、自分が目で見て学んできた経験だけなのかもしれません。
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