ダーリン・イン・ザ・フランキス23話より、ゴロー役だった声優梅原裕一郎さんが病気療養のため欠員。
代わりに
作品がクライマックスなだけに、少々残念に思うメモ用紙です。
前回のダリフラ22話では、低迷する営みのなかで、個々人がそれぞれの問題を抱えていました。
抜け殻のようになったゼロツーはひとりでに傷を負い、その精神の在り処は宇宙であることを悟ったヒロは、アパスに取り残されたゼロツーに出会うため宇宙へと向かいました。
そして今回のダリフラ23話、VIRMと宇宙で戦闘する13部隊とナインズ達。
不完全なアパスにコネクトするため、ヒロは戦火のなか、アパスへと到達します。
ヒロとのコネクトにより真・アパスとなったゼロツーは、最後の決着へゲートの向こうへと赴いていきます。
こちらの記事もクライマックス、それでは参りましょう!
ダーリン・イン・ザ・フランキス
23話のタイトルにもなっていて、アニメタイトルをここに持ってきた意図と理由について考えたいと思います。
これは単純に考えてみると、ダーリン(=ヒロ)がフランクスのなかに、という意味合いが受け取れます。
今回の23話の場合、「戻ってきた」や「迎えに来た」という印象を受けます。
しかし、フランクスではなくフランキスなのは、このダリフラにおいて重要である「キス」というワード。
キスはこのダリフラにおいて、特別で、親密で、強い絆を表す表現として用いられています。
なので、ヒロとフランクス、この23話においては真・アパス(=ゼロツー)との深い繋がりを表現しているものと思われます。
ナインズの正体
ナインズのすべては恐らくこれ以上語られないとこまで来てしまいました。
これまでの記事では情報があるごとに掘り下げていたわけではないので、ここでまとめておきたいと思います。
ゼロツーの複製
今回も、ナインズのくちから「イオタ(=ゼロツー)のクローンである」と証言しており、博士も言っていました。
いわゆる「失敗作たち」だったのが、彼らナインズでした。
そのため、彼らには特別な力がゼロツーに劣るものの備わっており、しかし同時にゼロツー以上に精査な検診が必要であった訳です。
それはダリフラ22話も含め、衰弱するナインズの様子を見ていれば一目瞭然です。
ナインズの能力値
筆者が過去の記事で述べた見解は、どうやら考えすぎだったようです。
ナインズはピスティルにもステイメンにも、どちらにもなれると23話で明らかになりました。
これについて補足説明しておくと、そもそもナインズは人と近からず遠からずという存在です。
完全なる「人間」ではいので、そこに性別という要素は関係ありません。
叫竜の染色体に酷似している女性の染色体である「xx」が、このフランクスとのコネクトを可能にしているものですので、そもそも叫竜に近しいナインズ達は女性である必要はないということになります。
よって、ピスティルにもステイメンにもなりうるということだと思います。
コドモたちのこれから
ダリフラにおける重要なファクター
VIRMの意図する凪のような快楽と、永遠の進化。
それらに対し、コドモたちと人類のした選択について、ナナが結論を導き出しているようにも見えました。
「あの命の煌きは、凪のような快楽のなかでは生まれないわ!」
これはダーリン・イン・ザ・フランキス通しても重要なテーマであり、進化するにつれオトナたちの手放したものに、価値を見出しています。
ただ利便性や理屈に委ねた世界よりも、この不完全で理不尽な世界や人の在り方を尊く思い、慈しむこと。
これこそがダーリン・イン・ザ・フランキスの重要なテーマ、伝えたいことなのではないでしょうか。
戦いを終えたコドモたちはどうなる?
この一つの形がココロとミツルなのだと思います。
新しい命をその身に宿したココロは、コドモではなくなり、同時にパラサイトとしての素質を失いました。
ミツルの「一からはじめればいい」「それが僕たちの戦いなんです」などの台詞から、VIRMとの戦闘を終えた彼らは、また新たに「戦いの日々」がはじまるわけです。
生活を見守る役割を担おうとするハチとナナや、ダリフラ22話でのゴローたちの活躍ぶりから、それは難航を極めながらも、着実に進めるよう希望のある描写が目立っている印象です。
では、叫竜との関係はどうなるのでしょうか?
叫竜と人類
戦艦の操縦などからハチの考えた一言に印象的なものがありました。
「本来の叫竜人と人類、思ったほどに違いないのかもしれない」
叫竜人は古より存在し、VIRMの撃退などもあり、地球を守っていた存在の一つです。
その叫竜人と人類が協力関係を気づき、同じ目的のもとにいます。
しかしながら、叫竜人はわずかにcode:001ただ一人でした。
マグマ燃料も枯渇し、恐らく叫竜人の残り火は一握の砂。
しかしながら、叫竜人は戦艦も含め、人類の協力に惜しみないということは、人類に地球を託したのではないかと想像できると思います。
火星宙域、戦火の最果てへと続く叫竜人の作ったゲートを用いて、真・アパスが進んでいきます。
真・アパス
ヒロの呼びかけに応え、取り戻したゼロツーの姿を模した真・アパス。
出典:ダーリン・イン・ザ・フランキス/6月30日放送/TOKYO MX
真・アパスの抱えた爆弾を持って、ゼロツーとヒロはゲートの向こうへと向かいます。
この真・アパスがゼロツーを模した際に、地上にあるゼロツーの肉体が崩れゆく描写がありました。
その理由として考えられるのは、七賢人(=APEに存在したVIRM)の言う肉体の喪失に近しいものかも知れません。
アパス内に残したゼロツーの精神とヒロは対話しており、その姿は見えていませんでした。
これにより、ゼロツーがその身で帰るという選択肢は弱まってしまったように思えます。
最終話の予想
参考にするのはココロのモノローグ。
「ストレリチアは綺麗だったと、見届けたみんなは教えてくれた」
このモノローグ、見届けたみんなは教えてくれたということは、ヒロとゼロツーはそれを教えていません。
そもそも自身でその姿を綺麗だったと言うように思えない二人なので、この台詞のなかにヒロとゼロツーが含まれていないという要素はありますが、これが二人が帰らないという決定的な理由にはなりえません。
「あの二人の先に待つものが、どうか幸せな結末でありますようにと」
この台詞を読み解くうえで重要なのは、二人にとって幸せな結末とは何かということだと思います。
以降は勝手な憶測になるかも知れません。
ゼロツーの望む結末?
ゼロツーの望むものは人間になることでした。
しかし、その人間になりたいという理由の根底には、ダーリンともう一度出会うためでした。
こうして二人は再会し、再認識し、同じように愛し合ったいま、ゼロツーの願いは違います。
今回した約束の一つ「二人で絵本の最後を書きかえよう」この約束を叶えないことには、終われないと思っています。
しかし同時に浮かび上がる不安要素も、この23話で登場した「ゼロツーの中の絵本」です。
物理的に書き換えることではなく、このゼロツーの中の絵本を書きかえるという選択も存在してしまっているという点です。
ふたりの心のなかで、意識のなかで完結し、最後には比翼の鳥となり飛びだっていく。
そんなクライマックスも想像できてしまいます。
筆者の希望的観測予想
そして、希望的観測を込めた予想としては、筆者のなかでこびり付いているのは「海」というファクター。
アパスの抱える爆弾と同時にゲートは消失し、アパスはある種の信仰の対象のように宇宙を彷徨うのかも知れません。
或いはアパスの抱えるエネルギーは爆発と共に地球へと降り注ぎ、そこにはヒロとゼロツーの残す未来が現れる可能性もあります。
もしくは新しい息吹としての、大地や海が生まれ、それがヒロとゼロツーの残した未来への懸け橋となっていくことも考えられるでしょう。
ダーリン・イン・ザ・フランキス23話の感想
宇宙へ向かうための装甲が黒くてかっこいい!
この宇宙へ行く展開はSNSなどでも、伝統芸だと揶揄されていますが、個人的には大歓迎です。
それにならうと、パァーンと晴れやかなエンドロールが期待できるのかも知れません。
残すは最終話、見届けましょう。
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