みなさまこんにちは。アニメ
BANANA FISH Journal、ご覧になりましたか?
NYへのオフィシャルツアーが開催されるのだとか。
原作の舞台が見れるのか、とか、アニメの再現度がどのくらいか確かめたい、と思うと気になるところではありますが、そもそもパスポートも先立つものもない時点で途方に暮れております。
い、いつか自分で
さて、2週間ぶりのBANANA FISH。
前回・12話はアッシュとオーサーの決戦前の様子が描かれていましたね。
2人がついに直接対決をすることが決まり緊張感が高まる一方、ハロウィンパーティーを楽しむアッシュと英二。
アッシュの苦手なかぼちゃを近づけたり、2人で恋の話をしたりと、本当に随分親しくなったんだなと感じられるひと時でした。
13話はファーストシーズン最終話。
このアッシュとオーサーの一騎打ちはオープニングを見た時からずっと楽しみにしていました。
そして、素敵なアニメに仕立ててくれてありがとうございます、スタッフさん!
まだまだ13話を見た余韻が抜けないままではありますが、今回はアッシュのライバル・オーサーについて徹底的に語っていきたいと思います。
※記事に誤りがあったため、加筆・修正を行っています。(2018.10.10)
フレデリック・オーサーについて
オーサーの人物像
出典:BANANA FISH/10月5日放送/フジテレビ
1話からアッシュに強い執着を見せ、あの手この手で陥れてきた人物、それがオーサーです。
好機と見るや、スキップを誘拐しアッシュをおびき寄せたり、マービンを撃った罪をなすりつけたり、バナナフィッシュに苦しめられるショーターを目の前にしたアッシュに銃を渡したり、はっきり言って手段を選ばない男です。
アッシュの仲間からも「卑怯だ」「何をするかわからない」と言われ続けています。
しかしマービンのときもしかり、5話でディノを仕留め損ねたときもしかり、アッシュのピンチの陰にはオーサーがいたことも確か。
これまでのストーリーを振り返ると、オーサーほどアッシュを陥れられた人物はほかにいません。
一見小物なキャラではありますが、その実、アッシュなきダウンタウンを力で押さえつけられる程度にはできる男だと感じています。
そんなオーサーを象徴する言葉は「野心」。
こちらをキーワードにオーサーという人物を掘り下げていこうと思いますが、その前に声優さんについても紹介させていただきます。
オーサー役・細谷佳正さん
デビューは2004年。
個人的には、「黒子のバスケ」
オーサーについて語るなら、やっぱり彼の言葉は必要だろうと思いまして、この記事を書く直前にアニメ雑誌・spoon.2Di vol.42を慌てて買ってきました。
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9月29日に発売されたものなのですが、2ページにわたって細谷さんのインタビューが掲載されており、オーサーという人物についてよく研究された方だなと思いながら拝読させていただきました。
中でも一番印象的だったのは「ツメも甘いし、共感できる部分は正直あまりありませんでした(笑)」という部分。
アフターレコーディングコメントからも伺えるのですが、細谷さんご自身はかなり明確に意図をもって演じられる方のようです。
1話から随所で「オーサーが強い」という感想を目にしましたが、それも細谷さんが狙った部分でもあるようです。
今回のインタビューでも、ご自身の意図とスタッフさんからのオーダーが合わないときはしっかりと話し合いをなさってから演技を調整されたことが明かされています。
細かにいろいろ詰めていくタイプの細谷さんだからこそ、オーサーはツメが甘く見えたのかもしれませんね。
オーサーの野心
出典:BANANA FISH/10月5日放送/フジテレビ
前の見出しからの続きにはなるのですが、ここはじっくりと考えさせていただきたいところですので、項目をわけてお話をします。
オーサーは何故アッシュをあんなにも憎んだのでしょうか。
それを考える上でも、オーサーという人物を考察する上でもキーワードになるのが「野心」。
彼の野心はどのようなもので、何に向けてのものだったのか、個人的な見解になりますがお話していきたいと思います。
他者を嫌いになる理由とは?
作中ではオーサーはひたすらアッシュを憎み続けていました。
彼の視点から考えていくと、アッシュと手を取り合うことは最初から不可能だったのではないかと思うほど、強い気持ちを感じました。
なぜこんなにもオーサーはアッシュを嫌い続けたのか、それを考えるために、そもそも何故人は他人を嫌いになるのか調べてみました。
こちらの記事を参考に、オーサーを当てはめていくと、やはり嫉妬の気持ちが大きいように感じます。
自分が勝ち取ってきたボスとしての地位や強さ、それらを急にさらっていったのがアッシュ・リンクスという美しい少年でした。
さらに彼はマフィアのボスにも目をかけられているのにも関わらず、それを喜ばない。
上にのし上がりたいオーサーが嫉妬してしまうのも無理はないように思います。
そして嫉妬の基盤には「相手が自分の期待に応えてくれない」という気持ちがあるようです。
この「自分の期待に応えてくれない」という不満は、野心に通じるものがあるように感じます。
野心とは
野心とは、時としてその人の身に余ると思われてしまうような大きな望みを指す言葉です。
その一つの側面として、現状よりも高い地位を得ようとする気持ちがあげられます。
地位や権力を得たいということは、優越を望む欲求であり、言い換えれば他者から自分は優れている存在だと承認を得たいという欲求でもあるように思います。
オーサーの根底にこういった欲求があるとするならば、「オーサーの野心」=「自分を認めてほしい」ということではないでしょうか。
認めてほしいという期待がかなえられなかったから、彼はアッシュを憎むしかなかったのかもしれません。
では、オーサーは誰に認めてほしかったのでしょうか。
それはおそらく世界(彼をとりまく環境と言ったほうが適切かもしれませんが)でもあり、アッシュでもあるのかもしれません。
世界に認められたかった
ストーリーを通してのオーサーの行動原理は分かりやすく、「アッシュより優位に立ちたい」というものでした。
最終決戦の直前、オーサーは「そうさ、お前が望んだわけじゃねえだろう。だが、だからこそ俺はお前を憎む。俺の魂をかけて、お前を憎む」と、アッシュを嫌う理由について語ります。
これまでのストーリーから察するに、オーサーはアッシュと出会う前から手段を選ばずに、そして一途に追い求めて目的を達成してきた人物のように感じます。、
9話でバナナフィッシュの恐ろしさを目の当たりにした際、罪悪感に苛まれ、手を引いてもおかしくないのに、ただアッシュを
それどころかあのときショーターではなく、苦しむアッシュにばかり意識を向けていたようにさえ感じます。
ここまでの執着を見せるのは、オーサーが目標に向けてなりふり構わずひたすらに突き進むことによって成功を得てきたこと、一途に追い求めれば願いが叶うという意識が彼の中で強く身についてしまっていることに起因するのではないかと考えています。
だからこそ、才能も地位も与えられてきたアッシュは認められるものではなかったのでしょう。
自分が欲しいものを努力もなしに持つアッシュが自分より優れていると認めてしまうことは、自分が歩んできた人生(=魂)の否定につながってしまう可能性があるからです。
意識的か無意識的かはわかりませんが、オーサー自身もそれをわかっていたからこそ、「ヤツを神聖視するんじゃねえ!!」という言葉が出たのだと個人的には考えています。
神聖視を認めるということは、アッシュが自分には敵わない存在であることを容認することにつながり、心の中にある成功への道を否定することにもなりかねません。
彼のうちにある成功論を守るためにも、それだけはオーサーにはできなかったのではないかと思います。
与えられる存在であるアッシュよりも優位に立つこと、そしてそれを周りが認めるということは、オーサー自身の人生の肯定と同じ意味だと言えるのではないでしょうか。
だからこそ、アッシュの上に立つことに彼はこだわったのだと考えています。
アッシュに認められたい
出典:BANANA FISH/10月5日放送/フジテレビ
電車の中で追い詰められたオーサーは「はじめてファーストネームで呼んでくれたな」とアッシュに言い捨てます。
このセリフについてオーサー役・細谷さんは「売り言葉に買い言葉で深い意味はない」と分析していますが、私はそれ以上に深い意味があるのではないかと考えています。
そもそもファーストネーム(名前)で呼ぶことはどのような意味があるのでしょうか。
アメリカ人はビジネスの場面であってもファーストネームで呼び合うのが基本だと言われています。
逆にファミリーネーム(苗字)で呼ばれると壁を感じるようです。
ファーストネームで呼ぶということは、彼らにとって本音を話してもいいと認めたことになります。
つまり、アッシュがこの場面でオーサーを「フレデリック」と呼んだ意味は、「いい加減腹を割って話そうぜ」と言った意味が含まれるのだと思われます。
こぶしで語り合う、なんとも男らしい方向性ではありましたが。
オーサーもそれを感じ取って、「ファーストネームで呼んでくれたな」と答えたのでしょう。
アッシュという存在は、周りの不良少年たちからも認められ、マフィアからも目をかけられ、それにふさわしいだけの実力を持った人物でもあります。
それらは全てオーサーが欲しているものだというのは、これまでお話しした通りです。
問題は、アッシュがオーサーを歯牙にもかけていないように感じられた点でしょう。
2人の初めての決闘の際にも、決着がつくや否やアッシュはすぐに背中を見せています。
また、1話を見ても、アッシュはオーサーを重用しているようには見えません。
そういったアッシュの行動一つひとつが、自分は認められていないと感じ、オーサーは憎しみを募らせていったのだと思います。
自分だけが相手を意識していると思えるからこそ、オーサーはアッシュにも意識をしてほしかったのではないでしょうか。
アッシュが自分を対等だと認めたうえでの戦いでないと、オーサーは自分の人生を取り戻せないと感じていたのかもしれません。
こうやって考えていくと、伊部というよりはオーサーこそがアマデウス症候群だったんじゃないかとすら思えてきます。
予期はしていなかったものの、アッシュが「フレデリック」と呼んだことで、オーサーは望んだ舞台を手に入れることができたのではないでしょうか。
BANANA FISH(アニメ)13話の感想
ついにオーサーとの決着がつきましたね!
2人の決闘シーンは迫力があって息をつく暇がないくらいでした。
ただ最後の表情を見る限り、待ち望んだ場面が来たとはいえ、オーサーにとってはバッドエンドでしかなかったようですね。
ところで、キリマンジェロの雪、出てくれましたね!すごくうれしかったです!
アッシュが自身のピンチを感じたところでの回想でしたが、彼にとってこの戦いは、迷いを深めていくものだったのか、あるいは高みへ行くためのものだったのか、大変気になるところではあります。
ただ、アッシュが知恵をもって運命を切り開くためのものであればと祈るばかりです。
出典:BANANA FISH/10月5日放送/フジテレビ
一度は空港に行こうとした英二ですが、アッシュのピンチを知り、結局は駆け付けてしまいます。
英二は自分を必要とするのは、「17歳の少年アスラン」であり、ボスのアッシュにとっては足かせでしかないことを悟っていたように思います。
アッシュ自身がボスであることを望んだからこそ、日本に帰る決意をしたのだと思うのですが、それでもやはりアッシュのもとへ駆けつけたのは何故だろうと思ってしまいます。
居ても立っても居られなかったというのがその理由だとは思うのですが、その基盤には何があるのだろう、英二にとってのアッシュはどんな存在なんだろうと思うと、実は混乱してしまう私がいます。
この辺りは今後のストーリーを読み解いていく中で決着がつけられたらと思います。
コメント
最近更新されていないようですが、もう更新はないのでしょうか?
まきょ様
BANANA FISH担当ライターのnkさんがお忙しいとのことで、すぐの復帰は難しいかもしれません。゚(゚´Д`゚)゚。
更新楽しみにしていただいていた、まきょ様、またほかの読者様も大変申し訳ございません。
できる限り早い復帰いただけないか打診しているところでございますので、戻ってきた際には暖かく迎えていただければ幸いです!