甲羅を背負った社主の登場で、早速この会社のダークな部分が垣間見えてきた『アフリカのサラリーマン』の2話。
雇い主直々の社員いびりに労基ガン無視の天引きブラック。
経営者がカメだったらオーイ人事。柴犬侍です。
相変わらず大暴れしてるオオハシのほか、社長・ハムスターといった新キャラにUMAまで登場し、世界観の広がりをみせた第2話。
初回から引き続き、登場動物のモチーフとか世界観とか、その辺について愚考を巡らせていきます。それじゃ参りましょうか。
モチーフ動物ポイント
今回も登場動物のモチーフとなった動物について、本編の描写とあわせて見ていきます。
取り上げるのは、アフサラ第2話で初登場となるカメ社長、顔見せした殺傷ハムスター、そして謎の生物モケーレ・ムベンベの3匹です。
ちなみに、ライオンが風呂に入る話がありましたが、ネコ科は基本的に風呂嫌いです。
趣味は社員いびりのカメ社長
頭に札束を乗せているのは貧乏社員に見せびらかすためと豪語し、初登場でいきなりスープにされかけたリクガメ社長。
カメの多くは川や湖沼といった水場に生息しますが、リクガメ科はその殆どの種類が一生を陸の上で過ごします。
会社を切り盛りする都合上、そう頻繁にぴっちゃぴっちゃできないせいかと考えられますが、となると、少なくともライオンたちの社会は陸生動物を中心に回っていると考えてよさそうです。
出典:アフリカのサラリーマン/10月14日放送/TOKYO MX
そして、カメといえばその長い寿命。
日本では「万年生きる」とされ、そこまではさすがにないにせよ、長いものだと100年以上は生きるといいます。
確実な記録だけでも、1766年から1918年まで生きていた「マリオンのゾウガメ」の152年。
捕獲時には30-50くらいだったというから、あるいは200年以上生きたのかもしれません。
社長がご老体なのは、こうしたカメの寿命の長さの反映と考えてよいでしょう。
包丁二刀流・殺傷ハムスター
両手に包丁をかまえる物騒なゴールデンハムスター。
ゴールデンは縄張り意識が強く、家族同士でもめちゃくちゃ喧嘩するので、この物騒さはそのためでしょう。
ペットとして買ったことがある人も多いと思いますが、この憎らしい金色毛玉はとにかく元気いっぱいですね。特に夜。
曰く、モケーレ・ムベンベと同じくらいのレア度で、会社にもたまに現れるらしい。
同じ会社で働きながら、あんな奇っ怪な見た目のムベンベをライオンらは見たことがなかったようだし、今回この会社のブラックな側面が垣間見えたことので(モロ出しだったけど)、社員説もゼロではなさそう。
あるいは、カメ社長が社員いじめに動員している私兵だったり。
転職しようとすると追いかけてくるのかも。本格登場に期待。
怪奇! モケーレ・ムベンベ
会社から逃げてジャングルにいたところを連れ戻された、ふざけた名前の奇っ怪な生物。
変な言い回しですが実はこいつ、UMA(未確認生物)として実在します。
未確認動物(みかくにんどうぶつ)とは、伝承や目撃談、噂などで実在を主張されていながら、生物学的には確認されていない未知の動物のことである。
UMAという呼称は、英語で「謎の未確認動物」を意味する Unidentified Mysterious Animal (和製英語)の頭文字をとったものである。
参照:Wikipedia | 未確認動物
元になっているのは、コンゴ共和国やカメルーンといったアフリカ大陸中央部で目撃情報のある同名のUMA。
この冗談みたいな名前はリンガラ語(主にコンゴ川中流域の言語)で、意味は諸説ありますが「川の流れをせきとめるもの」とするのが一般的。
出典:アフリカのサラリーマン/10月14日放送/TOKYO MX
熱帯雨林の水場に住み、目撃情報からすると恐竜、特に
他にもゾウ説・サイ説などがあるらしく、現地の人は特にサイの絵によく反応するといいます。
こいつはシルエットは竜脚類、構造はゾウ、大きさはサイに近いといった、これらの説の折衷案ともいうべき奇妙奇天烈な見た目をしています。
ちなみに、一緒に出てきた河童・チュパカブラもUMA仲間です。
野生と非野生
アフリカのサラリーマン2話でも、本作の奇妙な世界観の考察に役立ちそうな情報がありました。
連れ戻されたモケーレ・ムベンベの言い放った「野生に戻らせてくれー!!」がその1つです。
このことは、第1話でトカゲが口にした「社会トカゲ」というワードの掘り下げといえるでしょう。
あれは「社会人」と「非社会人」を意識したものだと思ってましたが、どうも怪しくなりました。
この世界における「社会人」の対義語は、「野生」かもしれないのです。
社会動物への進化説
ムベンベの言葉からすると、この世界の動物には野生・非野生の区別があるようです。
ここでいう非野生とは、もちろんライオンたちのように(というか、われわれ人間のように)集団で生活し、会社や学校に通ったりする社会性動物の生活様式を指します。
一方、野生とはムベンベのように集団生活を離れ、自然の中でひっそり暮らすことをいうのでしょう。
今回登場した河童やチュパカブラのことも指すと思いますが、彼らについては「社会性動物ではない」と言い切れる描写がなかったので、参考まで。
出典:アフリカのサラリーマン/10月14日放送/TOKYO MX
そして、「戻らせてくれ」と言っていることから、元々彼らは野生動物だったという仮説が立ちます。
ライオンやトカゲが人間のように歩き、言葉を話し、社会を形成していることについてはいろんな説が浮かびますが、ひとまずは人間と同じように進化した説で落ち着きそうです。
オオハシが「猛獣」にビビってライオンを先に行かせたように、この世界の動物がすべて社会性動物で、意思を通わせることができるとは限らないようです。
「“人”ではない!!」
あと興味深いのは、ライオンがチュパカブラを前に口にした「好みバッチリの“人”見つかったねえ」というセリフ。
これに対し、トカゲがすかさず「“人”ではない!!」とツッコミを入れています。
二足歩行であるなど人型としての条件をクリアしているように見えますが、トカゲからするとチュパカブラは「人ではない」ようです。
となると、ほぼ同じ特徴をもつライオンたちも同様に「人ではない」のでしょう。
これで、この世界に「人類」が存在することがほぼ確定したといえます。
人類が存在するとなると、どこで何をしているのか、そもそも存続しているのかなどとても気になりますが、その辺は次回以降、作中で触れてくれることに期待するとしましょう。
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パロディの元ネタ
今回も1話で解説したパロディに続いて、どエラい数のパロが見受けられました。
全部拾えたかも怪しいですが、あらかじめご了承ください。
アフゼリヤ
アバンでライオンたちが食事をしていた店。
元ネタは、イタリアンファミリーレストランの『サイゼリヤ』。
ちなみに、「アフゼリア」という木が存在し、アフリカの熱帯雨林に分布するジャケツイバラ科の広葉樹で、木材として使われていたりします。
ライオンが食べてるサラダ
アフゼリヤでライオンが食べていた、引きだとレタス、寄りだとキャベツに見える謎サラダ。
「キャベツ? 抹茶アイスだろ?」と思う人もいるだろうが、これはキャベツなのだ。
出典:アフリカのサラリーマン/10月14日放送/TOKYO MX
元ネタは、アニメ業界で「キャベツ検定」として知られている有名な作画崩壊で、その発端はアニメ『夜明け前より瑠璃色な』第3話の料理対決シーンで登場したキャベツのようなもの。
上記画像のように緑の丸い何かにしか見えないことから、放送以降様々な場所でネタにされている。
これがパロであって作画崩壊ではないことは、直後に全く必要のないタイミングで唐突に出てくる無駄に描きこまれたパフェを見ればわかる。
チューチュートレイン
アイキャッチで縦一列に並び、ぐるぐる回ってるライオンたち。
元ネタは、音楽グループ「ZOO」の楽曲『Choo Choo TRAIN』におけるダンス。
「EXILE」によるカバーの方が有名かもしれない。
オーイジンジン
オオハシたちが転職相談の電話をしていた相手先。
元ネタは、人材派遣会社「スタッフサービス」のCMで流れる、フリーダイヤルの語呂合わせフレーズ「オー人事」。
「弦セレ」で知られるチャイコフスキーの「弦楽セレナーデ ハ長調 作品48 第1楽章」と、「○○に恵まれなかったら」の前置きで有名。
モケーレ・ムベンベの正体イメージ
モケーレ・ムベンベの正体についての仮説を挙げるシーンで出てきたイメージ映像。
「見間違い」で出てくるのは、20mくらい離れるとドラえもんとのび太に見えるかもしれない別人。
出典:アフリカのサラリーマン/10月14日放送/TOKYO MX
「非公式○○キャラ」で出てきてるのは右から、凶悪な面構えが人気の北海道物産センター夕張店のゆるキャラ・メロン熊、千葉県船橋市の非公認ご当地キャラ・ふなっしー。
左はちょっとわからない。
強いて言えば、韓国のCGアニメ『ポンポンポロロ』の主人公ペンギン・ポロロ(Pの字が一致)、もしくは「畜生ペンギン」で知られる東京ヤクルトスワローズの球団マスコット・つば九郎か。
どうぶつの村
モケーレ・ムベンベの捜索中、オオハシが遊んでいたゲーム。
元ネタは、ニンテンドーDS・3DS等で発売されているゲーム『どうぶつの森』シリーズ。
出典:アフリカのサラリーマン/10月14日放送/TOKYO MX
トカゲが「どうぶつの村でいうとマグロくらいのレア度」といっているが、これが実際どれくらいかというと、30分ほど粘れば釣れるくらいの珍しさ。ただし、冬の海にしかいない。
売り値のところにアフリカベルとあるが、これは『どうぶつの森』の通貨単位が「ベル」であることにちなむ。
アフリカのサラリーマン2話の感想
スーツ姿に虫取り網を携えてジャングルに向かう3匹がシュールすぎたアフサラ第2話。
途中からトカゲの虫取り網だけなくなってるし。
出典:アフリカのサラリーマン/10月14日放送/TOKYO MX
同時に電話をかける息ピッタリの3匹も面白かったですが、個人的にはアバンの「アフゼリヤ」で、サラダを食べているライオンとカツカレーを食べているオオハシの対比がすき。
直後のオオハシのKYな言動を含めてね。
UMAも懐かしいですねえ!
アフリカの池に住む河童、関西弁を話すチュパカブラ、極めつけにモケーレ・ムベンベ。
ナンジャコリャと笑っていたら、ふと「人」やら「野生」といったワードが飛び出てきたりするから、油断ならない。
オオハシが実は飛べるらしいことがわかったりと、地味に考察材料になりそうな情報の多い回でした。
次回はいよいよ、今回顔見せしたハムの出番かな。
アフリカのサラリーマンはまだまだ色々と動物が出てくるようなので、彼らがどのように物語を引っかき回してくれるのか楽しみです。
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