ナ↑ーーーーンッツーウェンニャーーー!!
ワナビーチワワァ↓
というわけで、サバンナ系社畜アニメ『アフリカのサラリーマン』の夜明けです。
タイトルだけ見て面白そうだなと見切り発車したわりにはなかなか良くて、アフサラ1話の放送では正直笑いましたが、笑って終わりならどれだけいいか。
はたして、このアニメに解説するポイントがあるのか? 何を考察するのか?
という根本的な疑問の中、これを執筆しています。柴犬侍と申します。
過酷なサバンナに生きる動物たちのように、後先考えないワイルドさがいいですね。よろしくお願いします。
モチーフ動物ポイント
アフサラが単なる社畜の日常を描いたアニメではない理由――
それは、作中に人間が登場しないこと(1話時点)。
このため、動物要素にフィーチャリングしたアフリカンジョークが随所に炸裂します。
ここを省くと誰得アニメもいい所なので、放送前から注目していた部分。
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服着てるし二足歩行だし、肉に
今回はもちろん、主人公格たるライオン・トカゲ・オオハシの3匹。
「群れ」をつくるライオン
アフサラ第1話では、ライオンがあくびをしながら朝目覚めるところから物語がスタートします。
玉石混交の合コンに勤しんでいるオオハシを尻目に家庭を築いているライオン。
出典:アフリカのサラリーマン/10月7日放送/TOKYO MX
ライオンは、プライドと呼ばれる秩序だった群れを形成する唯一のネコ科として有名です。
こうしたプライドのチームワークで狩りを行ない、仕留めたエモノはみんなで分け合うというのがライオンの日常です。
まさに会社、という感じですね。
群れの長たるオスライオンですが、妻ライオンの「朝ごはんできてるよ」というセリフから察するに、若干の寝坊をしたようです。
ライオンのオスは、食べ物が足りていると20時間は寝そべっているようで、狩りをするのもほとんどがメスのチームといいますので、そうした一種の「怠け者」のイメージが反映されたのかもしれません。
とはいえ、大型の獲物を仕留めるのはオスにしかできない重要な役目ですし、必要とあればオスもちゃんと働きます。
猫じゃらし
ちなみに、劇中で夢中になった猫じゃらしですが……
ライオンもネコ科なので、当然めっちゃ反応します。
ライオンの属するネコ科の目は、狩りをする肉食獣らしく、動くものに対して敏感に反応するという、優れた動体視力をもっています。
ネコが猫じゃらしに異様な反応を示すのは、こうした狩猟本能から。
逆に、止まっているものはほとんど見えないようで、獲物を見失ったときには嗅覚や聴覚、ヒゲのセンサーを駆使して位置を割り出すとか。
苦労人のトカゲ
神経質な苦労人ポジのトカゲ。
こうしたキャラ付けには、トカゲが
出典:アフリカのサラリーマン/10月7日放送/TOKYO MX
われわれ人間や犬猫のような
外部の気温に応じて、暖かい環境なら体温が高く、寒い環境なら低くなるのです。
トカゲも熱がないと動けませんので、寒い環境では暖かくなるまで冬眠するしかありません。
こうした特徴から、周囲の状況に依存する受け手な性格、いってみれば気配り上手、ツッコミ気質な神経質キャラになったのだと考えられます。
トカゲの尻尾切り
専門的には「
出典:アフリカのサラリーマン/10月7日放送/TOKYO MX
1話で窮地からの脱出にたびたび活用されましたが、実際のトカゲも危機に陥ると、尻尾を残してトンズラすることがあります。
切れる場所が決まっていて、そこから尻尾が離れても、しばらく経つと元のように再生するというものですが、これにはわりと体力を使うらしいので、オオハシのように面白半分に尻尾を切るのは本体トカゲの健康上よくありませんので、注意が必要です。
ところで、トカゲの尻尾切りというと、別のことを想像する方も多いんじゃないですか。
「サラリーマン」で「トカゲの尻尾切り」なんて、不穏な空気しか感じ取れませんよ。
さいわい1話ではまだそういうことは出てきてませんが、果たして今後どうなることやら……
イケメントカゲに幸あれ。
歩く放送禁止用語・オオハシ
出典:アフリカのサラリーマン/10月7日放送/TOKYO MX
口を開けばトラブルの種。
ずっと喋っててとにかく騒々しく、コンプライアンス的に大変アレな彼ですが、元ネタの鳥も負けず劣らず鳴き声が大きいです。
広いジャングルでも標的に聞こえるようにするためと考えられるらしく、数十メートル先にも余裕で届き、ペットとして飼う場合には騒音対策が必須レベル。
そしてオオハシ科といえば、なんといってもそのクチバシが最大の特徴。
別名の
中でも赤~黄色で彩られたクチバシをもち、オオハシ科の中で最も大きいオニオオハシは「アマゾンの宝石」として名高い美しい鳥ですが、鳴き声はガーガーと低く、カエルのようです。オオハシの声と比べてどうでしょう?
ドーナツをクチバシに刺してガツ食いするシーンがありましたが、主食は果実や昆虫。
ちなみに、生息域は主に中南米。アフリカにはいないようです。
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ワイルドな世界観
動物が人間のように社会を形成し、手を取り合って共生している世界。
大変結構なことですが、個人的に気になることがひとつ。
それは、この世界の食生活はどうなっているのか、ということ。
アニマルだらけの合コン
合コン回からわかるのは、この世界のカップルについてです。
ライオンの家族がライオンのみで構成されていることから、そのへんは現実と同じと考えてよさそうです。
出典:アフリカのサラリーマン/10月7日放送/TOKYO MX
――と思いきや、合コンに参加しているメンツがカオス。
オス側のオオハシ科×4に対し、メス側はチーター、ジャッカル、レッサーパンダ、ブタ。
つまり、彼女らにとって、オオハシたち=エサなのです。
オオハシらがドーナツやコーヒーを飲み食いする描写がある一方、ライオンが朝食としてがっついていたマンガ肉に、Cパートで登校中のシシ村(ヒョウ)が食べていたシマウマの足。
その際の、「朝ごはん狩ってたらこんなじか~ん」というセリフ。
振り返ってみると、他の動物がライオンにビビる描写が1話だけで2回出てくることがわかります。
ウサギの通行人と、オオハシ・トカゲです。
極めつけに、トカゲがライオンに平謝りしながら口にした「食べないでください!!」
穏やかじゃありません。
草食系が気が気じゃない社会
オオハシの発言からすると、この世界には食用の「家畜」がおり、普段肉食獣たちはそれで腹を満たしてると思われますが、Cパートのシシ村によると、同時に「狩り」も存在しているようです。
出典:アフリカのサラリーマン/10月7日放送/TOKYO MX
事故とはいえ、オオハシの首根っこに食らいつく彼女を見ても、この世界には依然、自然界の摂理、弱肉強食の掟が存在し、彼らの中に、野生の本能と呼ぶべきものも残っていると考えるのが自然。
オオハシは、どういう気持ちで合コンに参加しているのだろうか。
もちろん全部わかってて参加してるんだろうけど、だとすると女遊びも命がけである。
パロディの元ネタ
ギャグアニメのご多分に漏れず、本作にも多数のパロディが登場します。
つい最近話題になったアレから、若干時代を感じるものまで。
周知のものからマニアックなものまで、筆者が確認できたシーンの元ネタを見ていきましょう。
冒頭の夜明けシーン
出典:アフリカのサラリーマン/10月7日放送/TOKYO MX
元ネタは、言わずとしれたディズニーの名作アニメ映画『ライオン・キング』の冒頭。
ライオンが雄叫びをあげている岩場も、まんま本編に登場する岩場・プライドランド。
出典:アフリカのサラリーマン/10月7日放送/TOKYO MX
原作のクライマックスを飾る名シーン。
さすがにかの名曲『Circle of life』はコンプライアンス的にアレなので流れませんでしたが、筆者の脳内では確かに聴こえましたので、本記事の冒頭でご紹介させていただきました。
ちなみに、「Circle of life」はAmazon Music HDでUltra HD対応です。
ライオン宅の外観
出典:アフリカのサラリーマン/10月7日放送/TOKYO MX
どこからどうみても、春日部にあるあの家。
元ネタはもちろん、『クレヨンしんちゃん』の野原邸です。
車庫の位置やベランダの有無など、よく見ると細部が違うのですが、全体としてここまで「ぽい」感じに仕上がってるというのはなかなか興味深い。
もはやこの家の外観は、遺伝子情報に刻まれているレベルなのかもしれない。
草むらを駆け抜けていく視点
出典:アフリカのサラリーマン/10月7日放送/TOKYO MX
OPの冒頭、草むらの中を駆け抜けながら、広々としたサバンナへと抜けていく演出。
元ネタは、アニメ『けものフレンズ』のOPの冒頭です。
同じ第1話の舞台がサバンナの動物アニメという希少な共通点がありますので、パロられるのは無理からぬことだったのかもしれませんね。
AFSSコーヒー
出典:アフリカのサラリーマン/10月7日放送/TOKYO MX
OPの最後の方で、見覚えのあるラベルの缶コーヒーで一服するライオン。
言わずとしれたサントリーフーズのコーヒーブランド・BOSSが元ネタ。
この惑星の支配者は、いつの間にか人間ではなくなっていたようだ。
いや、あるいはまだ人間なのかもしれない。
オエー!!
出典:アフリカのサラリーマン/10月7日放送/TOKYO MX
老眼のライオンの代わりにオオハシが新聞を読んだところ、頭を横読みするとやばい言葉になったことから、汚らわしいゲボを噴き出しながら白目をむいたシーン。
おそらくは、通称「オエー鳥」で知られるAA(アスキーアート)が元ネタ。
元ネタの元ネタは不明ですが、ゲーム『ファイナルファンタジーXI』に登場するコリブリというモンスターであるという説が有力。
アフリカのサラリーマン1話の感想
ただのバカアニメかと思いきや、ふと掘り下げてみると一種の社会問題じみた闇の深さが見えてくるあたり、意外と社会派アニメなのかもしれない。
見た目以外は人間と変わらないくせに、妙なところで野性味を出してくるのがクセになる。
出典:アフリカのサラリーマン/10月7日放送/TOKYO MX
狩る者と狩られる者が共存する社会――彼らの社会では、草食系・肉食系という言葉が文字通りの意味をもつのだろう。
基本同情の余地がないオオハシだからジョークになるけど、単なる通りすがりのウサギが不意に狩られる可能性もゼロではないのだと考えると、なかなかファンタスティックなバランスで成り立っている社会なのだな、と思うのでした。
合コンに来ていた肉食系女子たちが、オオハシらを「捕食」する機会をうかがっていないことを祈るばかりである。
オススメするなら? アフリカンジョークがイケる方です。ゲッツ。
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