略称はアフリーマン派。柴犬侍です。
『アフリカのサラリーマン』3話は、居酒屋で一発芸について相談しているオオハシたちからスタート。
一発芸の参考にと花見の計画を立て、前日からの場所取り役にオオハシを任命したまではよかったもののそこはさすがのオオハシ。
本格登場を果たした殺傷ハムスターから譲り受けたそっくりさんの
今回は対象になりそうな動物がいなかったので、いつもやってる動物解説はなし。
共食いだの葬式だの、そこそこ興味深いものが出てくる回だったのでそれについて書こうかな、なんてね。
ほぼ初登場となる殺傷ハムスターについては、2話の記事の方で一応書いたのでよろしければ。
動物界の「共食い」
アフサラ3話では、居酒屋で焼き鳥を平気な顔してかっ食らうオオハシ(鳥)をみて、トカゲがギョッとするシーンがありました。
「鳥キャラの前で焼き鳥とか使い古しだしー」と余裕のオオハシだが、真面目キャラのトカゲにとっては気になることだったご様子。
出典:アフリカのサラリーマン/10月21日放送/TOKYO MX
人間社会ではともかく、動物の世界において共食いというのは実際のところ、そう珍しいことではなかったりする。
ただ共食いには、その動物にとって必要な栄養がすべて含まれるという利点がある一方、倫理的な問題以上に、深刻な病気の原因になりやすいという欠点があるため、避けるべきとされているのだ。
動物たちもそれをなんとなくわかっているのか、動物界においても共食いは基本的に、飢餓や干ばつによる厳しい環境を生き延びるために見られる。
共食いをする動物たち
共食いをする動物というとヒョウ、カバ、ホッキョクグマなどに事例があり、トカゲ君と同じ爬虫類では、南アフリカに生息するケープコブラに共食いする個体が確認されている。
有名所ではカマキリだろう。
すべてのカマキリがそうではなく、この習性を持つ種類で大体12-28%くらいの割合だそうだが、メスが交尾中もしくは終わってからオスを頭からモグモグと食べていく。
カマキリは産卵で200個もの卵を産むが、これにはかなりの体力を使うようで、メスはそのためのエネルギー補給を目的にオスを食らっている。
交尾が終わると、オスはそりゃもう大急ぎで逃げ出すというから大変だ。
Stegodyphus lineatusというムレイワガネグモの一種にいたっては、メスが小グモに自分の身体を食べさせることで有名である。
本種の母グモは卵のうを作ると食事をやめ、自分の内臓をドロドロに溶かし始める。
しばらくして生まれてくる小グモが、餌を取れるほど発達した口を持たないため、ドロドロの内蔵を母グモから口移しで与えられる。
そして、与えられる内臓がなくなった後は、身体によじ登ってきた小グモによって、母グモは食べられてしまうのだ。母の愛ここに極まれり。
他にもチンパンジーの共食いは、メスを巡ってのトラブルから起きることがあるらしく、そのために自分の群れの元ボスすら食べたという事例もある。
これは「種の繁栄」という生物共通の目的からして、妥当と考えるべきなのか難しいケースになる。
両生類では、ユビナガサラマンダーの幼生が、餌が少ないと攻撃的になって共食いし、タイガーサラマンダーでは、雪解け水などでできた不安定な水場で孵化する都合上、速やかに成体になるために仲間を食らう。
面白いものでは、一部の植物はイモムシに食べられることを防ぐため、特殊な物質を作り出して自分の味をまずくし、イモムシたちを腹ペコにして共食いに走らせるという。
そもそも共食いか?
とまあ、共食いは珍しくないっていう話を長々としたが、そもそもオオハシのこれは共食いか?
共食いというのは「同じ種の個体を食べること」なので、仮にオオハシが同じオオハシ科を食べたとしても、オオハシは多分オニオオハシなので、それ以外のオオハシ科を食べたところで共食いとはいわない。
タカとかハヤブサの猛禽類だって、スズメやハトといった小鳥を普通に捕まえて食べるので、それと同じ単なる食事の一環だと思いますよ。
アフリカの桜
一発芸の参考のためという不純な動機で、花見への参加を決めたライオンたち。
桜並木が満開でしたが、気候も土壌もまるで違ってそうなアフリカに、桜ってあるんだろうかと思いますか?
実際のところ、アフリカにも桜はある。
出典:アフリカのサラリーマン/10月21日放送/TOKYO MX
3話で見られたアフサラワールドの桜は、こんな感じでした。
日本とは違い紫色ではあるものの、ジャカランダという植物が南アフリカ共和国の首都プレトリアや最大都市ヨハネスブルグに大量に植えられており、並木道を鮮やかに彩っている。
特にプレトリアは、通称のジャカランダシティで有名。
他にはジンバブエの首都ハラレ、タンザニア、マラウイなどで見られるそうだ。
南米原産のノウゼンカズラ科ジャカランダ属またはキリモドキ属の常緑高木で、現地での開花時期は9-11月。
国内では、宮崎県
アフリカだと日本のような桜はあまり見られないようだが、ひとつ東アフリカのタンザニアはキリマンジャロの
なんでも、1977年に当時の同国大統領が、日本の青年海外協力隊と一緒に植えたのだそうだ。
キリマンジャロに登山予定の人は、立ち寄ってみてもいいかもしれない。
アフリカの宗教
アフサラ3話だけで神・仏・女神というワードのほか、仏式葬儀に数珠・
これはもう、この世界の宗教観について考察しろというおぼしめしだろう。
とはいえ、これらを口にしたのは全部オオハシ。本気にするのもバカらしいけど……
出典:アフリカのサラリーマン/10月21日放送/TOKYO MX
で、オオハシ(別人)の葬式が仏式だったけど、アフリカにおける仏教ってどうなん?
まあ知らんので軽く調べてみると、新日本通訳案内士協会いわく、世界の仏教徒の9割はアジア、特に東アジアと東南アジアに分布してるらしい。
で、アメリカのピュー研究所によると、アフリカ諸国に仏教徒は人口比1%もいない。
実際のアフリカにおける主な宗教はイスラム教とキリスト教であり、この2つだけで全体の9割近くを占めるようだ。
じゃなんで仏式だったんだといわれても、ただ単にアフサラの舞台が日本だからでは。
これまであえて見て見ぬ振りをしてきたけど、今回だけで「だし巻き卵480円」だの「故オオハ<シ儀葬儀場」だの「アフリカ上野公園」だの、隠す気というものが感じられない。
アフサラの舞台はアフリカというより、アフリカの動物が世界征服した後の日本地区と考えた方がいいかもしれない。
ていうかこいつらもしや、上野動物園から脱走したのでは?
動物の葬式
信仰心をもつ動物は聞いたことがないが、葬式らしきことをする動物はいる。
同族の死を悲しむ行為は人間特有のことだと考えがちだが、実はそうでもない。
例えばゾウは、動かなくなった仲間のもとへ何頭も「
カラスは同族の剥製をもった人間に対し、仲間へ向けた警戒の音を鳴らしたて、日が変わってもそのことを憶えているという。
哺乳類以外で唯一ミラーテスト(鏡に映った自分を自分だと認識するかどうかの実験)をクリアしたことで知られるカササギなどは、倒れている仲間を見つけると声を鳴らし、仲間をその周りに集める習性がある。
集まったカササギたちは倒れた仲間に対し、1羽ずつ歩み寄ってつついては元の位置に戻り、また1羽ずつ近づいて草を置いて戻り、それが終わると黙祷するように静まってから飛び立つという。この間、10分以上という話だ。
出典:アフリカのサラリーマン/10月21日放送/TOKYO MX
こうした動物の行動を「葬式をしている」と見るのは自由だし、ただ動かなくなった仲間をみて助けようとしていたり、生きている仲間たちに警戒を促しているだけと見るのも自由である。
実際カササギのケースでは、ただ気絶していただけという事例も存在し、仲間がつついたおかげで早く目が覚めた可能性もあるそうだ。
ただ、まるで手向けのように花や草を添えることの意味はどうも謎だ。
筆者はこれに、人間のいう「死を
パロディの元ネタ
当初の想定よりアフサラにパロネタが多く、もはやアフリカのサラリーマンに出たパロディの元ネタ解説記事になりつつある昨今、皆さまいかがお過ごしでしょうか。
アフサラ3話もパロネタに次ぐパロネタで拾うのも大変、嬉しくもないただの悲鳴です。
今回は過去最大の物量でお送りしますので、ぜひ適当に読み飛ばしながらご覧ください。
フェイクブック
アバンで、街頭インタビューのテーマになっていたSNS。
元ネタは言うまでもなく、Facebook, Inc.が運営するSNS「Facebook(フェイスブック)」。
2018年7月時点での利用者数は22億人と、Instagramの10億、Twitterの3億を大きく突き放し、世界最大規模となっている。
このサイトでも、Facebookが利用されているため、1ユーザー加算になっている。
ポッピー
居酒屋でオオハシの前に置かれていた飲み物の銘柄。
元ネタは、ホッピービバレッジのビールテイスト清涼飲料水「ホッピー」。
ちなみに、当初は本物のホップを使ったノンビアという意味で「ホッビー」だったが、語感が悪かったので「ホッピー」になったらしい。
所詮この世は弱肉強食
共食いを指摘され、涼しい顔で言い放ったオオハシのセリフ。
オオハシ曰く好きな漫画のキャラが言っていたらしいので、元ネタは漫画『るろうに剣心-明治剣客浪漫譚-』の
『るろうに剣心-明治剣客浪漫譚-』は、アニメにもなっている。
彼の人生哲学で、原作16巻「宗次郎の過去-稲妻の狂乱-」などに登場。
「フジョー!」
オオハシに一発芸をせがまれたライオンが見せたポーズ。
出典:アフリカのサラリーマン/10月21日放送/TOKYO MX
元ネタは、フランスにある世界最古の自動車メーカー「プジョー」のロゴ。
後ろ足で立ち上がるライオンを模したもので、別名ベルフォールのライオン。
流行りのアイドル
ライオンが新入社員の頃に披露したという、流行りのアイドルに扮したダンスの一発芸。
元ネタは恐らく、赤い衣装が特徴のアイドルグループ「AKB48」だろうか。
全盛期の代表曲の1つ『言い訳Maybe』などで、イメージ映像のような赤い衣装を身に着けている。
黒ラベルの缶ビール
花見の場所取りを任せられたオオハシが開けた缶ビール。
元ネタは、サッポロビールの「サッポロ生ビール黒ラベル」。
「アフリカ生ビール」「黒ラベル」に黒丸の中に星型のロゴと、まんまである。
考えるのをやめた
オオハシが花見の場所取り中に妄想しているとき、およびクラブでフラれたときに出てきたナレーション。
元ネタは、漫画『ジョジョの奇妙な冒険』の第2部(戦闘潮流)』に登場するナレーション。
原作12巻「大西洋を越えて来た男」で、色々あって宇宙空間に投げ出され、自分の行く末を考えて恐ろしくなった後のカーズの心境を述べている。オオハシのポーズもカーズ様まんま。
出典:アフリカのサラリーマン/10月21日放送/TOKYO MX
なお、「考えるのをやめた」というフレーズ自体は他にも2回ほど登場している。
『第3部』の28巻でDIOが承太郎にロードローラーを叩きつける直前のシーンと、『スティール・ボール・ラン(第7部)』の16巻に登場するマジェント・マジェントのラストシーン(ただしこっちは「考える事をやめた」)である。
ちなみに、アフサラ3話における該当シーンの読み上げは、『ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース』に登場するジョジョを代表する敵キャラ・DIOのCVをアニメ等で担当している子安武人。
オオハシ・アイズ
クラブで、ナンパ待ちの女の子を見分けるために登場したオオハシの特技。
元ネタは、アニメ『コードギアス』の主人公・ルルーシュなどが持つ特殊能力「ギアス」。
出典:アフリカのサラリーマン/10月21日放送/TOKYO MX
発動時に右目を押さえるという仕草も元ネタ通り。
赤く光った左目に「女」の字が浮かんでいるが、元ネタと考えられるルルーシュのギアスでは鳥のマークが浮かぶ。
「説明しよう!」
オオハシ・アイズを説明するときに登場。
色んなアニメでパロられている、何かを解説する前の前置き。
大元の元ネタは、1977-79年放送のアニメ『ヤッターマン』におけるナレーションとされている。
「異議あり!」
ナンパ中、職業弁護士とホラを吹いているオオハシがそれっぽく言い放ったセリフ。
ゲーム『逆転裁判』シリーズの元祖主人公の弁護士・
検事などに文字通り異議を申し立てたいときに、人差し指を突きつけながら言い放つさまが有名。
欠けた桃のロゴ
クラブでオオハシがナンパした女の子の持ってるスマホのロゴ。
元ネタは無論、世界的IT企業のApple(アップル)のロゴマーク。
一口かじられたリンゴの形で有名で、アダムとイヴの禁断の果実に由来するとかいった説がまことしやかに伝わっているが、デザインしたロブ・ジャノフによるとそれは誤りであり、あのロゴに特にこれといって深い意味はないらしい。
「なにこの懐かしいアニメの終わり方!」
3話ラスト、オオハシに向かって丸く閉じていく画面の中で言い放ったセリフ。
出典:アフリカのサラリーマン/10月21日放送/TOKYO MX
00年代以前のアニメや映画等でよく見られたトランジション(画面切り替え効果)で、俗に昭和オチとか言われる。正式名称はアイリスアウト。
泣き顔を囲んで「トホホ、もうこりごりだよ~」みたいなセリフがあれば完璧。
昔よく見た気がするけど、具体的にどのアニメかと言われると意外と難しい。
有名所だと、1992年放送の『美少女戦士セーラームーン』の1話がこの〆方で、最近だと2019年の『かぐや様は告らせたい』の1話もこれだった(ただしハート型)。
アフリカのサラリーマン3話の感想
アフリカ要素が絶滅危惧種のアフサラ3話。
筆者はアフリカのサラリーマンに出たパロネタ探しで疲労コンパイルですが、それなりに得るものもありました。
出典:アフリカのサラリーマン/10月21日放送/TOKYO MX
その1つがこれ、殺傷ハムスター。めっちゃかわいかった!
ハムスターは餌を両手で持ってモグモグ食べてるときが、本当に愛くるしいよね。そのとき包丁が宙に浮いてたけど。
あとそうだ、「ここ日本だろ」ってずっと言いたかったけど、まあ本編が隠す気ないし。
一応、突然変異した動物たち率いるアフリカ帝国が世界征服に成功した後の世界という線が残ってるから……(震え声)
ちなみに、上野動物園から脱走した動物という線を話したけど、オニオオハシは都立動物園にはいないようだ。
静岡市立日本平動物園とかにいるみたいなので、実物を見たい人は要チェック。
アフサラはdアニメストアで2019年10月22日現在好評配信中のため、無料期間を活用しつつこちらもチェックしたい。
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