アフリカのサラリーマン9話の解説&考察&感想!動物に学ぶ恋愛術【アフサラ】

アフリカのサラリーマン キッスメイクで街コンに繰り出すシシ村とゴリラ アフリカのサラリーマン
(C)Project AFRICAN OFFICE WORKER 2019
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地味に時事ネタが多い『アフリカのサラリーマン』9話

スタッフのフットワークの軽さにビックリ。柴犬侍です。

前回8話は、13話分のぶっこみの中で1話まるまるジョジョパロだの中の人ネタだのと突っ込んだパロネタが目立った一方、地味にライオンの習性に関するネタが多かったので今回も期待してましたが……

あれはまあ――スタッフの気の迷いか何かだったということで。

喫煙所をウロウロしてるライオンが「発情してるのか」と皮肉られたように、動物は繁殖期になると奇行が目立つようになりますが、アフサラも例外ではないようで9話は婚活がテーマの1つでした。

よってアフサラ9話記事のテーマは、動物の繁殖期となります。

婚活って人間だけが行なうと思っていませんか。集まったりせず、放浪しながら異性を探し求めるだけだと思っていませんか。今回はそんな人向けの内容です。

動物たちはどんな感じに異性を落としているのか、その一端を覗いてみましょう。

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モチーフ動物ポイント

アフサラ9話のピックアップ動物は、準レギュラーのミツオシエと婚活会場にいたシラサギ

ミツオシエの方は、その名の由来となっているハチミツが初登場。

内容は概ね、初登場の6話記事で解説済みのことの復習に近かったので、軽くいく。

ミツオシエとハチの巣

改めて、ミツオシエの生態については6話記事も参照。

アフサラ9話では、ミツオシエがデスクの下にハチの巣を見つけ、いそいそとハチミツを採取するシーンがありました。

ミツオシエのモチーフになっている鳥の好物は、ハチミツハチの子、そしてハチの巣そのもので、これをラーテル等の大型動物に壊してもらっておこぼれを頂くという奇妙な習性があります。

アフリカのサラリーマン デスクの下のハチの巣

(C)Project AFRICAN OFFICE WORKER 2019


出典:アフリカのサラリーマン/12月2日放送/TOKYO MX

ただ、ミツオシエの多くは自分で採りに行っており、こうした習性をもつのはミツオシエ属の中でもノドグロミツオシエくらい。アフサラのミツオシエもこれ。

デスクの下にハチの巣があるという謎状況はさておき、ラーテルに頼らずにハチミツを採ろうとした結果、爆弾をその場に放り出してライオンたちの部署を吹き飛ばしてしまったミツオシエ。

やはりミツオシエは自分でやるより、誰かに代わりにやってもらった方が上手くいくようで。

甘い蜜を吸う、他人の不幸は蜜の味といった言葉遊びがキャラ付けに色濃いミツオシエだが、今回は泣きっ面に蜂といえる。

婚活会場の受付・シラサギ

婚活会場で受付をしていたシラサギ。主催者かもしれない。

詐欺さぎをかけられやすいかわいそうな鳥。

クロサギという漫画では、詐欺師をにたとえ、シロサギ・クロサギと呼ばれていたことでも有名。

まあダイサギとチュウサギは見分けづらいし、そう叫びたくなるのもわからなくはないけど。

アフリカのサラリーマン 婚活会場受付のシラサギ

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出典:アフリカのサラリーマン/12月2日放送/TOKYO MX

まずシラサギという名前についてですが、シラサギという鳥は存在せず、サギ科のうちで白いものをこう呼んでいるだけで、該当するサギにはコサギ・ダイサギなどがいます。

受付のシラサギは見たところダイサギかチュウサギですが、口角の切れ込みが眼下の先まで伸びているのでダイサギです。

「見るからにアフリカの動物じゃない」とライオンが言ってましたが、ダイサギもチュウサギも普通にアフリカ大陸にも生息してます。どんなイメージだ。

また、サギといえば仲間で集まる集団繁殖地「サギ山」を作ることで有名で、これが婚活会場の受付役として選ばれた理由でしょう。

動物界の「婚活」

婚活という言葉、もはや懐かしい響きに感じるのは筆者だけだろうか。

アフサラ9話のテーマの1つだった婚活ですが、動物界でいえばまあ繁殖期にあたる。

発情期ともいいますが意味はほぼ同じで、繁殖期のほうがより動物っぽいです。

動物によって繁殖期に行なう行動は千差万別なのですがこちら、中には人間が行なう婚活に似たものもあるという興味深い内容となっております。

もしかしたら、われわれ人間の婚活においても活かせるものかもしれません。あらやだ素敵。

繁殖期とはなんぞや

まず、繁殖期なるものについてご説明を。

一言でいえば、繁殖に関する行動が活発になる時期のことで、哺乳類から鳥から虫から魚まで、地球上の様々な動物に見られる。

これを迎えないと子孫を残せないので、食事の次くらいに重要である。

そして意外と知られていないが、動物の繁殖期には2種類ある。

毎年発情する時期が同じ季節繁殖タイプと、決まっていない周年繁殖タイプである。

例えばイヌは春と秋に1回ずつ繁殖期を迎える前者で、ライオンウシは後者にあたる。

ただし、人間でいう生理周期のようなものが動物にもあって、年中準備OKのオスに対し、メスは個々の性周期に合わせて発情することが多い。

一方の季節繁殖には、一年のうちの太陽が照っている時間(日照時間)と関係がある。

多くの動物の繁殖期が春から夏なのはこのためで、春先になると鳥がさえずるのも同じ理由から。

このことは古くから知られており、狙った時期にさえずってもらうために、夜に照明をつけたままウグイスを飼育することを「ウグイスの夜飼よがいというが、これは夜通し照らされることでウグイスが日長と勘違いするからである。

他にも高緯度で育てたメダカは、低緯度で育てたメダカより繁殖期が短いという調査結果もある。

要するに繁殖期の訪れは、環境によるところが大きいということである。

動物の婚活・レック

動物界にも婚活はある。

動物の中には繁殖期を迎えると、普段縄張りをつくらないオスが集まってせっせと縄張り作りに勤しみ、そこへメスを招いて求愛行動を行なうものがおり、こうした行動をレック(Lek)と呼ぶ。

アフリカのサラリーマン 婚活会場の回転寿司に圧倒されるライオンたち

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出典:アフリカのサラリーマン/12月2日放送/TOKYO MX

レックを行なうのはキジやシギなどの鳥類で、残念ながらカラカルやライオンなどは行なわない。

オオハシも行なわないが、生息域の近い南米アマゾンのイワドリはレックを行なうことで知られる。

イワドリのレック会場では、オスが声を上げながら求愛ダンスを踊ったり、他のオスと威嚇し合ったりしながらメスへのアピールを行ない、メスはそれを眺めながらつがいになるオスを見定める。

なんだか立場が対等じゃないが、これはレックを行なう動物のオスは基本的に子育てに参加しないことから、生存戦略の都合上、このような役割分担が進んだのだと考えられている。

その代わり、レックの勝者は大勢のメスとつがいになれる。すぐにまた別れてしまうけど。

さながらバラエティを鑑賞して、その中のイケメンのファンになるみたいなもんで、人間社会でもよく見る光景だ。

歌や踊りがメスを魅了するのはどこも変わらない。

婚活してるみんな、会場で一つダンスを披露しよう。注目の的になること間違いなしだゾ!

エリマキシギの婚活戦略

レックを行なう動物の例として、面白いものを一つ紹介しよう。

チドリ目シギ科に、エリマキシギという鳥がいる。

こいつは繁殖期になると、オスの首元に見事な襟巻えりまき様の羽毛が生えることが名前の由来である。

この鳥もイワドリ同様にレックを行なうのだが、そのときの行動が非常に奇妙で、他には見られないユニークなものなのだ。

というのも、レックにおいてエリマキシギのオスは、次の3種類の戦略を取るからだ(分類名はいずれも筆者による独自呼称)。

一定の場所に縄張りを作り、そこへメスを誘う「縄張りタイプ」

他の縄張りにお邪魔し、スキを見てメスを奪い取る「軟派タイプ」

そして、メスに擬態して縄張りに潜り込む「女装タイプ」だ。

それぞれ見た目からして異なり、「縄張りタイプ」には派手な色つきの襟巻があり、「軟派タイプ」は襟巻が白く、「女装タイプ」はメスそっくりなので襟巻がない。

同じ種のオスでこうも繁殖行動が異なる理由には、超遺伝子が絡んでいる。

まだ研究段階で詳しいことはわかっていないが、簡単にいえば子孫に遺伝するかしないかがはっきり分かれる遺伝子のことだ。

他には、シロオビアゲハのメスだけが他の毒蝶のはねに擬態する理由も、この超遺伝子によるものと確認されている。

アフリカのサラリーマン キッスメイクで街コンに繰り出すシシ村とゴリラ

(C)Project AFRICAN OFFICE WORKER 2019


出典:アフリカのサラリーマン/12月2日放送/TOKYO MX

家持ちの正統派男子に、フラフラしてる遊び人、そして女装癖。

まるで人間社会の縮図のようで興味深いかぎり。

たまに女装タイプが本当にメスと間違われるというのも実に21世紀

どの戦略を取っているエリマキシギが一番モテているのかは残念ながら知らないが、ここからわれわれが学ぶべきことは、第3のキャラを恐れるなということだろう。

硬派でも軟派でもないユニークなキャラクターは目を引き、関心を集め、引いてはモテるのだ。

諸君らもエリマキシギを参考に、ユニークなキャラクターで婚活デビューしてみてはいかがだろう。

ユニークだからといってコープスペイントはやりすぎだとしても、女装は……なし寄りの、あり?


パロディの元ネタ

アフサラ9話は量こそ少ないけども、Aパートそのものがパロディなので質は濃い

1話まるまるパロは8話でもやってたけど、13話分ぶっこんだ向こうに対してこっちはアバンからAパートまでと長尺。ランクアップしてる

他には、いくつか見覚えがあるものの、思い出せそうで思い出せないものがあったのが心残り。

そもそも気づかないより、そういうのが一番困るんだよなぁ。ではどうぞ。

AR

アバンで、ミツオシエが降り立った「鯖ん那駅」のロゴ。

元ネタは、日本の鉄道事業の企業群「JRグループ」の共通ロゴ・JRマーク

「Japan Railways」でJRなので、アフリカなら当然「AR」になる。

オーグメンテッド・リアリティーの略ではない。

アフリカの闇金くん

9話Aパートのサブタイトル。

アフリカのサラリーマン 9話Aパート「アフリカの闇金くん」

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出典:アフリカのサラリーマン/12月2日放送/TOKYO MX

元ネタは、漫画『闇金ウシジマくん』

主人公の「ウシジマくん」こと丑嶋馨うしじまかおるを中心とする、暴利を貪るヤミ金融業者と債務者の日常を描いたサスペンス。

今年5月に発売した46巻をもって、15年に渡る歴史に幕を下ろした。

話数表示のガイコツは、原作の話数表示のデザインが元ネタ。


「闇金くん」とくん付けされているが、これはウシジマくんパロであることはもちろんのこと、「奴隷くん」「若い女くん」というように原作の各話サブタイトルが「くん付け」で統一していることにもちなむ。

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まさに国民的漫画『闇金ウシジマくん』堂々完結です!!

以下、本エピソード内の他のウシジマくんパロの解説。

ヌーヌー金融

金に困ったミツオシエが訪れた金融業者の名前。

アフリカのサラリーマン ヌーヌー金融の社名プレート

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出典:アフリカのサラリーマン/12月2日放送/TOKYO MX

元ネタは、主人公・ウシジマくんが経営するヤミ金融「カウカウファイナンス」

カウ(cow)はウシのことで、ヌーとは巨大な群れを作ることで有名なアフリカ南部に生息するウシのこと。

社名の横にウシのシルエットのロゴがあるが、これはカウカウファイナンスの大小2つの黒丸のロゴを模している。

お金に困っていても、ヌーヌー金融なぞに手を出さず、まっとうな企業から借りていただきたい。

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ヌージマ

ミツオシエが訪れた金融会社「ヌーヌー金融」の社長。

アフリカのサラリーマン ヌーヌー金融のヌージマ社長

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出典:アフリカのサラリーマン/12月2日放送/TOKYO MX

元ネタは、ヤミ金融「カウカウファイナンス」の社長で主人公の、ウシジマくんこと丑嶋馨うしじまかおる

ミツオシエに「生命保険かけてやっちゃえよ」とアドバイスして爆弾を作らせるという外道牛だが、元ネタのウシジマくんも似たようなことをやっている

なお、ウシジマくんは実写版映画も人気を博したが、ヌージマの演技は映画 闇金ウシジマくんで丑嶋馨を演じた山田孝之に寄せている。

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TVシリーズに続き待望の映画化!

アフ経新聞

今月のコミックジーンの感想を聞かれたオオハシの「(社会人が)読むなら、アフ経新聞でしょ!」のくだりで登場。

元ネタは、日本経済新聞社が発行する全国紙、日経新聞こと「日本経済新聞」

どうでもいいが、日経は本日のアフサラ9話放送日をもって創刊143周年である。

ピクピクコミック

カラカルがオオハシに紹介した、無料で読める漫画サイト。

元ネタは、無料漫画サイトのPixivピクシブコミック」

本作アフサラはここで連載されている。

アフリカのJKの変装メイク

Cパートで、シシ村とゴリラが未成年お断りの街コンに潜り込むために行なったパンダみたいなメイク。

アフリカのサラリーマン キッスメイクで決めるシシ村とゴリラ

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出典:アフリカのサラリーマン/12月2日放送/TOKYO MX

元ネタは、アメリカのロックバンド「KISS(キッス)」。

ロックの殿堂に名を連ねる世界的ロックバンドであるほか、メンバー全員が白黒のフェイスペイント(コープス・ペイント)をしているメイクバンドとしても有名。

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シシ村のメイクは、ボーカル・ベースのジーン・シモンズのもの。

ゴリラのメイクは、ドラムのエリック・シンガーのもの。

なお、キッスは現在ファイナルツアーの真っ最中で、今月の来日公演をもって活動を休止する。

アフリカのサラリーマン9話の感想

既婚者やギネス保持者が入り乱れる玉石混交の婚活会場

実際の婚活会場がどんななのかは存じませんけども、回転寿司なるものが本当にあるならちょっと行ってみたい。

女装? しないよ?

せっかく婚活会場まで行ったのにすぐ後にしてなんじゃいと思ってたら、アフリカのJKでオチをつけてきたことに不覚にも噴いた。こやつら油断ならん。

キッスパロディもタイムリー。日経の創刊日に日経ネタといい、ライブ感全振りだよこのアニメ

アフリカのサラリーマン ライオンの顔を引っ張るカラカル

(C)Project AFRICAN OFFICE WORKER 2019


出典:アフリカのサラリーマン/12月2日放送/TOKYO MX

アフサラ9話は動物ネタが控え目に見えて、ミツオシエがハチの巣に気を取られて痛い目を見たり、婚活会場の受付がシラサギだったりと、地味ながらもモチーフ動物を意識した描写が目立つ回でした。

こういう感じだと気づいたときに感心するし、解説のしがいもあるので個人的には嬉しい。

次回10話は、実況者とかいうようつべからの刺客が。

何事かと思ったらコラボ回らしい。あ~これわからないやつかもですね……

アフサラって3DモデルだからそのままVtuberできそうだし、コラボするならそっちのほうが相性いい感じするけどな。ライオンの中の人はもうやってるし

どっかの邪神くんみたく、アニメ終わるあたりで始めるかもしれないので期待しとこか。ではまた。

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